第4話「所有欲」

「欲望といえばマズローの欲求段階説があるよね」



>マズローの欲求段階説(ウィキペディアより)

1、生理的欲求

2、安全の欲求

3、所属と愛の欲求

4、承認(尊重)の欲求

5、自己実現の欲求



「お金のない社会になれば満たされるんだろうけど今回は所有欲を考えてみようよ」

「お金の要る社会では所有権があるよね」



>所有権(デジタル大辞泉より)

物を全面的に支配する物権。法令の制限内で、目的物を自由に使用・収益・処分できる権利。



「所有権の目的を満たすことができれば必要ないよ」

「どう言うこと?」

「自分のものはいつまでも自分のものであればいいよ」

「所有権が無くても出来るの?」



「使用権があればいいんだよ」

「使用権って?」

「自分が使っている間は誰にも邪魔されないで自由に使えるってこと」

「他人が勝手に使ってはいけないってことね?」



「本人が『もう使いません』と言うか本人が死亡して後継者が使用しなければ公のもの」

「すべてのものはみんなのものとも言えるわね」

「所有権が無くても使用権さえあれば自分のものは守られるよね」

「そうね、今の社会でも通用しそうな気がするよ」



「使用する人は管理義務が必要だよ」

「家も土地も車も大切に使うことはもちろんだけど荒れ放題の土地や家は近所迷惑だしね(笑)」

「管理義務が果たせないとどうなる?」

「大切に使ってもらえる人に引渡しね(笑)」



「今の社会は所有権のおかげで土地も家も無駄にしているのが多いよね」

「耕作放棄地もあるしゴミ屋敷もけっこうあるよ」

「使用権なら自然も家も大切に使うことができるね」



お金のない社会でも「自分のものは自分のもの」ですが自分の意思で自由に公のものになります。


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