第4話

「終いか……実に他愛もない」

 

 全ての魔物を灰燼に帰した仮面の男は傲慢に、そして不遜のままつまらなそうに告げる。

 灰燼に帰した魔物たち……本来ここ、ダンジョンで死ぬば光となって消えていくはずの魔物たち……だが、彼らは光となることすら出来ない。

 仮面の男の圧倒的な力によってその魂までもが消滅したのだ。

 

「ふむ」

 

 大砲となっていた仮面の男の右腕が元の形へと戻る。


「流石です!」

 

 圧倒的な力で魔物たちを蹂躙した仮面の男の元に小さな少女が駆け寄り……そして抱きつく。

 仮面の男へと抱きついたその少女の背中には大きなバックが背負われていた。


「当然だ。……この程度、我の前に立つ資格すらない有象無象よ」

 

 仮面の男は抱きついてきた少女の頭をゆっくり撫でながら傲慢不遜に告げる。

 その口ぶりに似合わず、少女の頭を撫でる仮面の男の手は非常に優しかった。

 

「えへへ」

 

 頭を撫でられている少女は嬉しそうに頬を緩める。

 少女。

 肩まで伸びた黄金のように輝く金髪に空のように美しい碧眼を持った少女。

 目はぱっちりとしていて、顔立ちは非常に整っていて実に可愛いらしい。

 

「……アンノウンさぁん」

 

 仮面の男、理央、アルベト、アンノウンがダンジョンへとやってきて早半日。

 既に一人の女の子を落としていた。

 




 あとがき

 寝坊した。

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