Let's パロディー村

羽弦トリス

第1話水戸黄門

老人と青年2人が歩いていた。

「助さんや、あそこの茶屋で休憩できないかい?」

「ご老公、もう休憩は12回目でござる」

「なぁ~、格さんや、何とかならんかの?」

「では、ご老公、これが最後ですぞ。旅籠まで、あと3里でござる」

「ありがとう、格さんや」

三人は茶と団子を店主に頼んだ。

その時だ!


キャー!お助け下さい誰か~!


助さん格さんは、その声が段々近くなるのを聞き、身を乗り出した。

「助さん、格さん。無視しなさい!」

「何ですと!ご老公」

娘は3人の前で転び、5人ほどの男につかまった。

「助さん、格さん。無視しなさい」

「ご老公、それは出来ませぬ。助さん行くぞ!」

「おぉ」

2人は5人のゴロツキをこてんぱにした。


「静まれい、静まれい。ここにおわする方を誰だと心得る。天下の副将軍水戸光圀公であるぞ。頭が高い、ひかえおろう!」

ゴロツキの1人が言った。

「証拠があるのか?」

「フッ、助さん証拠だとよ!格さん例のモノを」

ゴロツキが騒ぎ出した。

「静まれい、静まれい、この陰嚢いんのうが目に入らぬか?」

「てめえら、オレらをバカにしてんのか?玉袋が証拠になるわけねえ」

格さんはうろたえた。

「ええい、この紋所が目に入らぬか!」

一同は静まりかえった。

「娘をナゼ追った?」

「3両の借金を取りに……」

ご老公はふところから、3両出して男に渡した。

帰れ!

「ありがとうごぜ~やす」


「ご老公、あの金は?」

「助さん、あの金は鉄火場で儲けた金よ!」

小娘が光國に近付き、

「ご老公、ありがとうございました」

「なあに、問題ないよ」

「ウグッ。くせ~。ご老公、お口くさい!」

「な、何だと!助さんこの娘を切りなさい!」

「ま、ご老公の口臭は天下一品ですからね、ラーメン屋ではないですよ!」

そのすきに、小娘は走り去って行った。


大団円




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