『更新お休み中です』逢魔ヶ高校生

第一章 入学怪談会編

零夜 プロローグ

  薄暗い空間の中、12個の蝋燭の炎が揺らめく。そして、それらを囲むように輪になって座り込む若者達の姿。




 あたりは、酷く静寂が俺たちを包み込んで、孤独を感じさせるように、冷たい空気が漂っていた。






「皆さん、準備はよろしいですか?」





 そんな中、甲の高い声が響き渡った。

 皆が一斉にそちらを向くと、声の主は1人の少女だった。

 艶のある黒髪を肩まで伸ばし、両横には青の組紐で可愛くリボン結びがされている。



 小柄で華奢に見えるも、堂々と胸を張っていた。そして俺達を見ている姿は、とても凛としていた。






 俺は合図をするように、ゆっくり顔を縦に振った。それは、皆も同じだった。




 少女は、皆んなの反応を見て一つの深呼吸を溢した。





 それと同時に、開かれた彼女の目付きが鋭くなった。

 それから、閉ざされた口を再び開いてこう言った。






「それでは、これから『怪談・十二物語』を始めます」




 その瞬間、俺達を閉じ込める暗い空間がより一層闇に包まれたような感じがした。

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