第13話 弟

こんなに気になるのはライバル視しているからだろう。苦労しそうだと思えば喜び。というよりは俺より随分楽な子供時代を歩んでいるのに大人になっても苦労しないのは許せないのか。


いや、俺のこの苦労から学んで活かす生き方、姿勢の否定になるからだ。

俺より幸せになられると。

でも俺は今までの分、ここから爆発的に幸せになるはずだ。


いや弟が成功しようとこけようと、俺には直接関係はない。から

俺は落ち着いて自分の夢を幸せを追求するべきだろう。


弟は転勤がある。成長などは俺にとっては無いも同然だが。


弟の幸せを望めるくらい幸せになってでっかい男になれたらいいな。


邪魔だけはしない。今までもしたことないが。


許せない…! 何も攻撃を受けたことがないやつが、人のイジメを見て見ぬふりをして自分たちだけ学校生活を楽しんだ者が俺より幸せになるのは…!


でもほっといたら弟は幸せといっても平凡な人生を送るだろう。特に人生に発見をすることもなく。俺がそれよりさらに差をつけて幸せになればいいだけだ。


だから弟をどう思うかは弟ではなく俺次第ということになるな。なぜなら弟を変えることはできないから。


俺はここまでストイックに自分を追い込んできたのにと。安心しろ。ここからグングン差がついてくるはずだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る