第9話連続殺人鬼からの『コラボ』要請

「ちょっとお。おおそうじ。これ『ぴー』って入ってねえじゃん」


「いや…、それ関羽さんがいれたら怒るって言ったからじゃないですか…。しかも『脱ぐ』とは聞いてませんでしたよ」


「わっはっはー。私が敗けるとでも思っておるの?片腹痛えわあああ。たぴおかーたぴおかー。えー、次はたぴおかー、たぴおかー過ぎましたら終点のたぴおかまで停まらない感じ―」


 言葉の意味は分からないけどとにかくすごい自信の関羽さん。そして当然の如く関羽さんの『関羽組長の夜露死苦チャンネル』との『コラボ』、つまり『挑戦状』を叩きつけてくるものが。


「関羽さーん。早速『コラボ』の要請が来てますねー。それもいくつか」


「へえー。早速釣られおったのねえ。『ばかちょー』からは来てるー?」


「いえ。来てないです」


「なーんだ。それじゃあ家康ちゃんとかアレクサンドロス大王ちゃんから?」


「違いますねえ」


「じゃあ誰よ?」


 僕もこの『コラボ』希望者の名前を見てちょっとびっくりした。


・ヘンリー・リー・ルーカス


・エドゲイン


・ジェフリー・ダーマ―


 揃って近代のシリアルキラー、連続殺人鬼たちだった。僕は彼らの名前を関羽さんに伝えた。


「は?誰それ?」


 当然の答えだと思った。そして僕は関羽さんに説明する。


「まあ、三人ともシリアルキラーと言いますか。連続殺人鬼ですね。ちょっとネットで調べましたが、まあ幼少時代の過程で人格が捻じ曲がって弱者を殺して屍姦したりしてた人たちです。死体を食べたり」


「はあ?変態じゃね?自分より弱いのを殺してそれを犯したり食べちゃうの?ありえねえー。そんなクソが私に挑戦状?百万年早くね?てか私のこと舐めすぎじゃね?」


「まあ、関羽さんはいきなり有名人ですからね。こういった有名人に特攻かけて有名になろうと思ってる奇人も出てくるのは予想してましたが…どうします?」


「どうするもこうするもねえじゃん?そいつら全員『クソ』なんでしょ?」


「そうですね」


「『クソ』はトイレに流すのが大事であり常識じゃん。いいよ。その『コラボ』受けちゃろう。ただし。私の好きなようにやるわ。いい?三国時代にも『クソ』はおったし多かったがちょっと許せないわね。いや、『死』を持って償わせるべきじゃね?」


「いやいや!関羽さん!『殺す』のはアウトですよ!関羽さんも前の動画で『寸止め』してやるって言いましたよね?それよりこんな小物はシカトでいいんじゃないでしょうか?」


「いんや。私の辞書に『逃げる』ってワードはないからみたいな。だーかーらー、『私のやり方』でやらせっつってるでしょ!とりあえず三人まとめて相手してやるからすぐに段取り組なさい!あ、それからその三人にはこう伝えといて。『私は指二本しか使わないから。ハンデはそれぐらいあれば十分やろ?』って」


 そして『関羽組長の夜露死苦チャンネル』は二本目の動画をアップする。

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