第3話 好きな人

 ロクバンやーい、今好きな人いるぅ?


「いなーい」


 そうかー、でもね、わたくしは結構、頼りにしてた。


「頼りって?」


 ピンチの時には助けてくれるから、信望してた。


「今になって……そのとおりよ。わたしがいないと、ダメダメなんだから。まったくもう!」


 ほんとだよね。


「まったくまったく!」


 こんどお土産持ってくるね。


「お!」


 なにがいいかな。


「同人誌」


 ジャンルは?


「エロ」


 いろいろあるでしょ、ノーマルとかBL,GL……


「GLが読みたい」


 あー、いつだったか買えかえとうるさかったのはロクバンだったのか。


「なに?」


 大学の購買部で百合小説を買えって言ったでしょ。


「いかにも」


 あれ、青臭くていやだった。


「いやでも、買えよ!」


 目的はエロなの? 恋愛なの?


「どっちも!」


 へえ、百合が好きなんだ。


「そうだよ!」


 知らなかった。


 こんどお友達に聞いてみるから。


「お願いねー」


 あい。

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