第15話 ヨンバン、小説の事で相談に乗って?
「いいよ」
べつに美文ではないけれど、ここは文字を追うことが心地よくて、読みふけって楽しんでもらうシーンなんだけど、みんな削れっていうんだよ。
「そしたら?」
どこもおもしろくなくなるじゃないか! と思って。
「べつに、削っても削らないほうがよくっても、読者には関係ないし」
そうでなく、読者へのサービスのつもりなんだよ、それがうまくいってないらしいの。
「ああ、そういう……意味がわかった」
どうしたらおもしろくなる?
「永遠にわからないところだった。うめぇ! ものすごくうめぇ! 後だしじゃんけんを改めればいい」
やっぱり前段階で地底の描写を入れた方がおもしろいかな?
「うん、詳しい情報が、少ないから、なんとも言えない」
主人公は地底人なんだよ、宇宙人と戦って親を亡くし、命からがら逃れてきて保護された。
「戦争孤児か」
そう。
「そうは見えない」
どうすれば見える?
「ようやくここまできたのに、とか。入れてくれれば」
わかった、どこに入れる?
「どこに入れるって……確かに」
主人公の過去がわかる部分?
「おもしろかったら、入れて。しっかり読めるように気を遣って、そしておもしろい話じゃないかどうか、確かめてみる」
んー、主人公の性格がわからないなあ。
「そこ!」
ちゃんと過去が設定してあるのに、これ、西だね。
「すごい西」
新潮向けかな。
「うん」
あれ、じゃあこのままでもよいのかな。
「新潮向けなら」
えーきちさんも母も、大衆小説向けのアドバイスをくれるから、この作品にはとりいれないほうがよいのかな。
「うん、おそらく」
あ、じゃあもうひとまず寝かせます。
相談に乗ってくれてありがとう。
飲み物飲む?
「のどが渇いてないので」
おやつとか。
「ああ、それほしい」
飴があるよ。
「ほしいー!」
えとね、待ってね。
いちごあじと、れもんあじとぶどうあじ。
「イチゴ練乳?」
そうだね。
「サクマの?」
詳しいね。
「そうなの」
とりあえずなにあじにする?
「みるく……じゃあねえ」
べつに全種類でもいいよ。
「おお。うん。もっと飴欲しい」
チーズスナックもあります。
「それもいただこうかしら」
カロリー計算するから待って。
飴三種、三粒で45キロカロリー。
スナックは7粒で約40キロカロリー。
「じゃあ、飴三種ひとつずつと、スナック7粒」
ありがとー。
「癒されたい……」
甘いものとしょっぱいもので癒されてくださいv
「あーい」
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