第107話 アンナの花嫁修行(訓練するの)

 私はアンナ6才。恋する乙女なの。


 今日はね。料理じゃないんだよ。


 だって料理はもう上手に出来るようになったもん。

 だってお父さん私の料理食べて「痺れる~」って

 喜んでるんだよ。うふふ。


 それは色々と違うな。


 だから次の修行をするの。


 お母さんに聞いたら愛する旦那さまがお家にいない時は妻がお家を守るんだって。


 だから今日は私が強くなる訓練をするの。


 アンナはがんばります!


「お母さん、なにをすればいいの?」


「そうねぇ、まずはお父さんに剣を教えてもらいましょうか」


 2人は庭に居るラグの所に行く。


「おとーさーん、剣を教えて、私強くなるの」


「おお、そうか。いいぞ~。まかせとけ!」


 ラグは愛娘からのお願いにデレデレだ。


「じゃあ、この棒で打ち込んでこい!」


「えいっ!やっ!それっ!」


 アンナは細い棒を一生懸命振っている。


「え~、お父さん倒れないよ」


「ははは、お父さんは村で一番強いからな」


 サーラがアンナに耳打ちする。


「えいっ!お父さんはいつもくさい!」


「ぐふっ!」


「やっ!お父さんはいつもウザい!」


「ぐはっ!」


「それっ!お父さんは…き・ら・い!」


「………………」


 ラグは失神していた。


「ふふふ、これで村で一番はアンナね」


 サーラは鬼畜である。


 剣の訓練はバッチリだから次は弓矢の訓練するの。


「ネネおばさーん、弓矢教えてー」


「ん?アンナか。どうした急に」


「私は強くなりたいの!」


 ネネは男前だ。だからアンナの言葉に喜ぶ。


「そうか強くなりたいか。いいぞいいぞ」


 アンナはネネに弓矢を借りて的に向けて放つ。


「えいっ!」


「バシュッ!カァン!」


 ネネの的確な指示で僅かな時間で的まで飛ぶようになったが的から外れて岩に当たる。


「え~、当たらないよ」


「ふふふ、あの的を夏希さんのハートだと思って撃つのよ。その弓矢で愛する人のハートを撃ち抜くの」


「わかったー」


「えいっ!」


「バシュッ!ズボッ!」


 夏希は即死だ。


「やったー!あたったー!これで夏希お兄ちゃん撃ち抜けるよ」


「ふふふ、これで夏希さんもイチコロね」


 夏希を撃ち抜いてはいけないよ。アンナちゃん。


 サーラは言葉選びは慎重に。


「私の愛する旦那さま。私頑張ってるよ!」

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