第252話
さて無事(?)冒険者ギルドで登録が終った。シアやアイギスの情報も貰ったタグの裏側に記載されて終了だ。
「さてと、それじゃあオーニャをシルの所に連れて行きますか。」
「ルドさんよろしくお願いします!!」
「この子を連れて行っても大丈夫なんですの?」
「シルさんの迷惑じゃありませんか?」
「ルゼダもクリンも心配し過ぎぃ~。弟子が取れなくて困ったってシル言ってたもん。大丈夫だよ。」
「(((uдu*)ゥンゥン」
「まっそう言う事だ。だからそろそろ腕を放してリダ。ミシミシ言ってるから。地味にHP削れてるから。」
「い~や~で~す~!!」
冒険者ギルドを出てワイワイ言いながら貴族区画に向かって足を進める。当のオーニャは真の鬼神斧槍流が習得できると鼻息が荒いな。気合いが入りまくってるなぁ、暴走しないと良いけど・・・。
「きゃーーーーーーっ!!」
「誰か助けてーーーー!!」
「っ!?ルドさん!!」
「リダと俺は先に行く!!クリンとルゼダはオーニャを頼む、シアとアイギスは2人のフォロー!!オーニャはその場で待機だ!!」
「「「「はいっ!!」」」」
「えっ?えっ?えっ?」
ここら辺はALOで守備隊に所属していた時の名残だな。1年経ったのにまだ覚えている事に我ながらビックリしながらも、全員に指示を出した後に急いで叫び声が聞こえた現場に駆け出す。オーニャには悪いが後は4人に任せた!!
悲鳴は建物と建物の間にある路地から聞こえて来た。現場に到着すると少し広くなっている場所で斧槍を持った柄の悪そうな連中が、ピンク色の髪と青い髪の初心者っぽい旅人の女の子に詰め寄っていた。
「へいへ~い。君達可愛いねぇ~、俺達と良い事しない?」
「この街にも不慣れだろ?優しく教えてあげるからさぁ。」
「俺達、“本家”鬼神斧槍流の門下生なのよ。元祖と違って“気持ちよく”教えてあげるからさぁ。ねっ?ねっ?行くっしょ?」
女子達を壁際に追い詰めて言い募る3人の男達。女の子の方は青い髪の子が前に立ち、ピンクの髪の子を庇っていた。
「嫌に決まってるやろ!!絶対に行かへんで!!」
「私達はこれから冒険者ギルドに行くんです!!そこを退いて下さい!!」
「そんな固い事言わないでさぁ。」
「そこまでです!!今すぐ彼女達から離れなさい!!」
男達がさらに詰め寄ろうとした所でリダがワーキャットの跳躍力を利用して女の子達の前に飛び降りる。リダに驚いて男達が彼女達から距離を離した隙に、俺は盾を構えながらその間に滑り込んだ。いやぁAGIのステータスも消えたから追いつけて良かったよ。
「君達、すぐに逃げなさい。こいつらの相手は私達がしておくから。」
「はっはい!!ありがとうございます!!」
「おおきに!!礼は今度しますさかい!!今はかんにんな!!」
「気にしなくていいから早く!!」
「あっ!?このやろ!!何逃がしてんだよ!!」
女の子達は盾の影に隠れながら大通りの方に駆けて行った。彼女達が逃げたことによって男達の怒りは俺達に向く。
「なっなんだお前等!!俺達の邪魔をするんじゃねぇ!!」
「おれたちゃ“本家”鬼神斧槍流だぞ!!俺達に盾突いて無事で済むと思ってんのか!!」
「俺達の仲間が黙ってないぞ!!」
「ルドさん。私同じような台詞を聞いた事在るんですが?」
「俺もだ。全く本家も元祖も似た様な事しか出来ないのか・・・・。」
もしやライバル同士だから相手がやった悪事を真似して武威を示そうとしてるのか?こんな事を真似しても社会的に死ぬだけだろうに・・・・。
「何ごちゃごちゃ言ってやがる!!」
「おう!お前等やっちまえ!!」
「へっへっへ、泣いて謝ってももう許さないからな!!」
「ルドさん来ますよ!!」
「おう、任せろ!!」
チンピラA・B・Cが現れた!!
チンピラCの攻撃。斧槍による叩きつけ攻撃。ダメージ3ポイント
ルドの陽動 チンピラA・B・Cの攻撃対象がルドに固定された!!
ルドの防御。
盾による防御、盾使い・両盾持ちスキル発動。
ジャストガード!!相手から受けるダメージが0ポイントに!!
ダメージ0ポイント
チンピラAの攻撃。斧槍による刺突攻撃。ダメージ1ポイント
陽動により攻撃対象はルドに固定されている。
ルドの防御。
盾による防御、盾使い・両盾持ちスキル発動。ダメージ-1ポイント
ダメージ0ポイント。
チンピラBの攻撃。斧槍による薙ぎ払い攻撃。ダメージ5ポイント。
陽動により攻撃対象はルドに固定されている。
ルドの防御。
盾による防御、盾使い・両盾持ちスキル発動。
ジャストガード!!相手から受けるダメージが0ポイントに!!
ダメージ0ポイント。
「攻撃が弱い!!連携が温い!!武器の持ち換えが遅い!!」
「なっなんだこいつ!!」
「俺達の攻撃が全然効いてねぇ!?」
「ひぃぃぃぃ!!」
ジャストガードなんて追加されたんだな。パリィの要領で相手の攻撃を弾いたら出来たよ。刺突攻撃はCの攻撃を弾いた時に付き込まれたが、全くタイミングが合わずに盾で受ける事が出来た。どうやら盾のダメージ軽減は小数点以下で在っても最低1ダメージは減らすみたいだ。後最後に攻撃してきたBは仲間と一緒に斬ろうとしやがったので一歩前に出て攻撃を受け流してやった。まったく、なんで俺が敵も守らにゃいかんのだ・・・・。
「次は私達の番ですね!!」
チンピラBの攻撃を受け流した後、リダが意気揚々と目の前のチンピラに襲い掛かった。
リダの攻撃。格闘による攻撃。拳闘、蹴闘、格闘術、心義夢想、気功スキル発動。目標チンピラC。ダメージ20ポイント。
チンピラCによる防御
斧槍による防御。リダの心義夢想の効果、ダメージ軽減スキルの無効化が発動。
ダメージ-0ポイント。
「リダ!!そのままじゃ死んじまう!!こいつらHP10だぞ!?」
「はわわわわ!!ちょっと手を抜きます!!」
攻撃者の手加減が発動。HPを失っても死亡にはならず、オーバーキル分は衝撃に変換。
チンピラCに10のダメージ。チンピラCは気絶した。
チンピラCは10メートル吹き飛ばされた。チンピラA・BがCの吹き飛ばしに巻き込まれた。A・Bにダメージ5。チンピラA・Bは行動不能になった。
戦闘終了。チンピラA・B・Cに勝利した。リダはスキル<手加減>を覚えた。
<手加減>
HPを全損させたとしても死亡扱いにならず、気絶扱いになる。
気絶した者はHP総量×1分経過した後にHP1で復活する。
「よ、よかったぁ~。死んで無い・・・。」
「あっぶな・・・俺も巻き込まれる所だった・・・・。」
吹き飛ばされたチンピラCは俺の横を吹っ飛びながらAとBにぶち当たって止まった。フレンドリーファイアにも今後十分注意しないと・・・・。
「うぅぅぅぅぅ、いでぇよぉぉぉぉ。」
「腕が、俺の腕がぁぁぁぁぁ助けてくれぇぇぇぇぇ・・・・。」
「・・・・・・。」
襲い掛かって来たチンピラの1人は完全に白目を剥いてぐったりとしている。吹き飛ばしに巻き込まれた方はと言えば、1人は左腕の骨が折れ、もう1人は右足の骨が折れているのか倒れ込んで悶絶していた。
「手加減何て物も在ったんだなぁ。」
「スキルとして覚えました。これで今後の捕縛は楽になりますね。」
「さてと、それじゃあこいつらを守備隊に引き渡して「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁっ!!」なんだ?」
拘束するものが無かったのでチンピラの服を剥ぎ取って手足を拘束、兵士に引き渡そうという所で何やら待ったの声が聞えた。どこからの声なのか辺りを見回わすと、建物の屋根に人影が見える。声の主はあれか?
「俺の仲間を離して貰おうか!とうっ!!」
「馬鹿ッ!?そんな高い所から飛び降りたら!!」
「あぎゃぁぁぁぁぁ足ガァァァァァァァ!!」
「そりゃそうなりますよ。馬鹿なんでしょうか?」
ヒーロー願望か何か知らないが、2階の建物の屋根から飛び降りたら足ぐらい簡単に折れるわ!!
綺麗に着地して両足を骨折した住人が、目の前で悶絶しながらゴロゴロと地面を転がる様子を俺達は冷めた目で見守るのだった。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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