非文明期 3
クォ=ヨ=ムイが転生させた人間の一人に、<
その謎の生き物は実は<マナ代謝生物>の一種で、<トロファヌ>と呼ばれていた。トロファヌ自体は凶暴な猛獣さえ易々と退ける程度には危険な生物ではあったが、
わけもわからず見知らぬ世界に転生させられたことに途方に暮れていた
だがこの牡丹、マナ代謝生物とはいえどほとんど獣と変わらない生物だったことで、果実などを見付けるのにはとても秀でており、
前世でのブラック労働がなんだったのか?と思う程度には。
そう。彼の前世では『働かざる者食うべからず』と言われ、一人で生活するのもやっとな薄給で過酷な労働を強いられる社会だったが、こちらでは、確かに牡丹と一緒に果実を採るという作業は必要だったものの、別に飢えることもなく、危険なことも特になく、夜は牡丹と一緒に寝れば暖が取れ、あとはにわか知識であったものの枝葉で簡易なテントを作る程度のことはできたのもあって、『あの前世での暮らしは何だったのか?』と思うようになっていった。
その後、人間の集落に立ち寄った時にはトロファヌの
この後も、牡丹の活躍により集落は獣の脅威に怯えることもなくなり、
こうして『よかったよかった』で終わったように思える
実は
しかし、『平穏な暮らしを続けられるのも訳がある』ということを彼の一生は示していたとも言えるだろう。
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