第42話

「柴くん、、、」

「橘音、昨日の動画」

「見たよ」

「ごめん、先に教えられなくて」

「いいの、私だって一ファンなだけで部外者だし」

柴は少しだけ、寂しそうな顔を見せた。

「そっか、怒ってなくてよかった」

「頑張ってね、歌い手活動」

「うん、あっという間に有名になって見せるから」

「柴くんならなれそうだね」

二人、控えめに笑い声をあげる。

「七菜香ちゃんは知ってるの?」

「ううん、知らないと思う」

「じゃあ、知ったら七菜香ちゃん腰抜けるかもね」

「七菜香なら抜けるね」

この会話をもし七菜香本人が聞いたら

顔を真っ赤にして怒るだろう。

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