第59話 愛の果て1(改訂版)
彼女は普段から地味な服装をしており、浮いた話を聞くことはない。
しかし、彼女にはアパートに出入りする男がいる。
彼とは、彼がアパートの近くで酔いつぶれているのを陽子が介抱したのが出会いのきっかけである。
武史は最初は優しく、うぶな感じの男に見える。
陽子と武史は付き合いだし男女の関係になるのに時間はかからなかった。
武史は優しいが、仕事は長続きせず、お金にだらしない男である。
彼は陽子に金の無心をするようになる。
最初は借りたお金を返すこともあったが、借りるだけになってゆく。
陽子は他に男を知らないためか、良くないことだと知っていても武史に金を渡し続ける。
武史は、ほかに女を作るようになる。
陽子は浮気に感づくが黙っている。
武史はだらしない性格のためか、女を作ってもすぐ捨てられてしまうのである。
彼はそのたびに陽子のもとに帰ってくる。
陽子は武史は自分がいないとだめだと思っている。
この関係は数年続くが、武史がある女と出会うことで終わりを迎える。
武史に陽子より10歳年下の彼女ができる。
彼女は金持ちの娘で、武史の欲しいだけ金を出してくれる。
彼は新しい金づるの女を見つけたのである。
武史は陽子に言う
「お前に飽きたんだ別れよう。」
「いいえ、あなたには私が必要よ。」
「もう愛していないんだ。」
「私はあなたを愛しているわ、放さない
わよ。」
武史は陽子に暴力をふるう。
陽子はこのままでは殴り殺されると思う。
そして気が付くと、陽子は武史の首を絞めている。
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