第299話
まさかのGW前日にインフルエンザ感染とか……
先月末も感染したのに2ヶ月連続で月末にダウンしてました(泣)
本当にお待たせしましたが、ようやく復活です。
『あちゃー、やっぱり通信に負荷が掛かってたかぁ。』
リオの元へと到着したラグナはすぐにゴーレムを引き渡すと床が急に発光を始め、横たわっているゴーレムの身体を上から下へと光が流れて行った。
「今のは魔法?」
『そだよー。ゴーレムの身体をチェックする為だけに作った魔法~!人間にやっても効果はないぜ~。』
「相変わらず無駄に凄い魔法を作るよ……」
ラグナは呆れた顔をしながらため息をつく。
『ふふん♪もっと褒めても良いんだぜぇ?……おっと。やっぱり駆動部も魔力回路もズタズタかぁ。うーん……』
「やっぱり長時間の稼働は難しいんですか?」
『難しいねぇ……初めての技術だからってのもあるんだけど。素材が集まらないってのも大きいかなぁ。』
「素材ですか?」
『そそ。素材。昔と違って魔物の素材が手に入らないからねぇ。私が現役の頃は街を出たら魔物なんて簡単に見つけられたんだけど。今って基本的には魔の森にしかいないじゃん?』
「まぁ……基本的にはそうですね……そういえば昔ってそんなにも魔物が多かったんですか?」
『多いよ~。冒険者だけでなく街の住人も戦う力は持っていたからねぇ。たぶん今の時代の兵士よりも、あの当時に生きていた住人達の方が強かったと思うよ?』
「えっ!?兵士よりもですか?」
リオのまさかの暴露に驚くラグナ。
『当たり前じゃん。あの時は住民ですら戦う力を持っていないと生きていけなかったんだよ?街や村が魔物に襲撃されるなんて日常茶飯事。ちょっと隣の村までって気軽にいけるもんじゃなかったからさぁ~。皆で武器を手に協力しあって生き残ってきたのさぁ。商人ですら今以上に命懸けの商いをしていたからね。』
リオの話を聞いている限り、街道だからといって安全とは限らなかったらしい。
更に街道といっても今のような石畳ではなく、ただ土が踏み固められて雑草が生えていないだけ。
その程度の道を作るのが精いっぱいだったとか。
石畳の道なんてよっぽど大きな町中でしか作ることが出来なかった。
『あの当時は本当に多種多様な魔物が生息していたんだよ。今もよく見るスライム種やボア種以外にもね。』
ラビット種、スパイダー種、ウルフ種、ゴブリン種、オーク種、コボルト種、マンティス種、リザードマン種、ドラゴン種などなど……
「話を聞くだけでもヤバさが伝わってきますよ。本当によく全滅しなかったもんですね……」
『本当にあの頃は必死だったからねぇ……今とは比べ物にならないほど、戦闘を経験していたから強くなるのは必然だったよ。それでも……私たちは異世界から勇者を呼び寄せてもらわなければ、滅んでいただろうけどね。』
リオは少し悲しげな声であの当時の事を教えてくれたのだった。
『素材が手に入らないのは仕方ないからなぁ……ちょっと配置から何から見直しをしていくしかないかぁ。』
リオからその後聞いたのだが、ヒノハバラでもアオバ村が滅んだことによる弊害が地味に広がっているらしい。
ワイルドボアなどの肉や素材が手に入らなくなった事。
これまで定期的に仕入れる事が出来た魔石の供給が不安定になってしまった事。
代わりに村を開発する様にと指示が出たらしいが、すでに数ヶ所で村づくりを失敗している事。
冒険者を派遣し、ワイルドボアの討伐及びその他の魔物の素材を求めているが、こちらもあまり成果が上がっていない。
「なんというか……ざまぁみろって感じですね……」
『うん……まぁ、その気持ちは当然だよね。でも地味にシーカリオンにも影響が出てるんだ。ただでさえ高額で売り付けられていた魔石がさらに値上げしてるから、魔道具の価格にもろに影響が出ちゃってるんだよねぇ……』
「それは……」
この国の経済が傾くのはマズいというのはラグナでも理解できる。
ただでさえ2国を支援するために赤字覚悟で物資を輸送しているのだから。
「この国の近くで魔石が手に入る場所って無いんですか?」
ヒノハバラにある魔の森の様なものがシーカリオンにもあれば……
『そんなものがあればヒノハバラから高値で仕入れてないよ。』
「そうですか……確かにそんなところがあればあの国とは取引なんてしてませんよね。」
ラグナはため息を吐きながらゴロンと地面に転がる。
『あっ……』
「あっ……?」
『魔石が手に入る場所……あったわ!』
「えっ?さっき無いって言ったじゃないですか。」
『完全に忘れてたよ!ラグナ君なら手に入れられるじゃないか!』
「ん?僕なら……?どこです、それ?」
『海だよ、海!沖にいる魔物ならば魔石を体内に持っているんだよ!非現実過ぎてすっかり忘れてたよ!』
シーカリオンで唯一魔石や魔物の素材を手に入れる事が出来る場所。
それは海なのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます