第18話 消毒し過ぎ生活がもたらしたもの

 新型コロナが5類に移行し、職場でも色々な規制が緩和され、消毒用アルコールやパーテーションも撤去された。下々が外しにくくならないようにと率先して上司達はマスクを外し出したが、やはりまだマスク派は多く、昼食時のお喋りもほとんどない。日常が戻りつつあることにホッとする気持ちと、まだ少し怖い気持ちが交錯していた。

 そんな中、週末に長女と2人で都内に遊びに行った。初日の夜はコンサートに行き、マスクは着用だったが、4年ぶりに声出しもOKで、久しぶりに心底楽しんだ。席は最高だったが、会場の声が降り注ぐ位置なのが少し気になっていた。

 翌日は築地に美味しい魚料理でも食べようかと行ってみたら、溢れかえる人、人、人。初詣の明治神宮かと思うくらいの進み具合と密着度。並ばずに入れる少し離れた店を探した。ようやく見つけて入った店で、鯵フライを堪能したが、消毒なしですぐに席に案内されることには少し躊躇した。

 住んでいる町では、規制緩和されたとはいえ、まだまだマスクをし用心深い生活を続けている人が8割くらいいるのに、すぐに緩和を受け入れて生活している都会の人たちの様子にギャップを感じると同時に、怖さを覚えた。それでも、楽しかったと満足して帰って来たのだが、丸3年しっかり消毒生活だった私は、やはり、耐性が弱かった。3日後に発熱。ついに、私も新型コロナに侵された。丸2日行動を共にした都内で働く長女には、体力と耐性があった。無念。

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