ラノベ窟のヘヴィーな廃人

広江宇一

第1話/序章

「この……」


 揺れる銀髪。たなびくスカート。

 少女の琥珀色を帯びた瞳が、不機嫌そうに俺を見据えている。


「ウンコ製造機がぁぁぁぁぁあ!」


 薄暗い部屋を揺らし、校舎に響き渡る甲高い怒号。


「このクソみたいな紙束を出版するために使用した……」


 虚空を舞ったハードカバーは、


「紙とインクに謝れ!」


 俺の鼻先にクリティカルヒットした。


 思わず腰を抜かして呆然と尻もちをついている俺に、なおも追い打ちが迫る。


「アンタの犯した罪を教えてあげましょうか……」


 なぜ……


「駄作陳列罪よ!」


 どうして……どうして、こうなった――

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