第42話
「手際が良いな。マイラスと良い勝負だ」
ネイサスは、魚を捌く作業を手伝いながら言った。
「そうか?俺のはユー○ューブの動画を見ただけの見様見真似なんだけど」
仮にも客人なのだからとゆっくりすればいいのに、ネイサスは手伝うことを買って出たのである。
レイオスとエリオスは、ミレイに部屋の案内された後、夕飯が出来るまでの間、暫くと寝るとのことであった。
「で、このことを聞くのは失礼かも知れないけど、妹さんの名前って…?」
「ああ。失礼。妹はフリックという名前なんだ。可愛いだろう?」
ネイサスもまた、レイオス同様に絵師のレーシーに描いて貰ったというお気に入りの小鳥と戯れている、フリックの絵を取り出しながら言った。
「ああ…。常に持っているのか?それ」
「当たり前だ。俺たち7人兄弟の内6人は確実にお気に入りのフリックの絵を持ち歩いているからな」
「…妹のこと。ホントに大事なんだな」
エルフって家族を大事にするイメージは無かったけど、そうじゃないんだなと俺は思った。
「ああ…。俺たちの森で経った一人のシルヴァンエルフの女の子だからな。恐ろしい目に遭っていなければいいけれど…」
ネイサスは、他の魚も三枚下ろししながら返したのである。
「…もうお腹一杯のようだな」
泣き濡れたまま、意識を手放してしまった、フリックを見ながらカイシェイドは呟いた。
散々と魔吸具によって開かれた箇所から、血と共に溢れ出していた。
どうやら、その日の内にフリックは、初潮を迎えたまま、カイシェイドは事を進めてしまったのである。
カイシェイドにとって、シルヴァンエルフとの子を成すことが出来ればと思っているだけなのだ。
「また、明日から抽出にしっかりと励むのだぞ…」
代わりに夜は相手してやろうと言うと、デイルスは事が終わった頃合いを見計らって来るなり、フリックを馴らすために地下へと戻していったのである。
「幾ら王の頼みで馴らしておけと言われても、幼女相手に出来っかよ…」
カーツは、もう少し大人のエルフなら良いけれどと文句を言っていた。
「仕方ないだろう。14歳~18歳のエルフは基本的にオーク相手だし」
「かといって…20代半ば以降のエルフは泣きすらしない」
身体こそ人間の女に比べれば、格段に良いものの、何だか物足りないのだとコーツは返したのである。
「どうしてもって言うならば、違う遊び方をしてやろうじゃないか」
「…そうだな。朝昼は抽出で出来ない分、その方がいいかも知れないな」
そう男たちは言いながら、今はすやすやと眠るフリックを無理矢理と意識を引き起こしたのだった。
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