第16話

「さてと…塩を作るためにまずは魔石を拾いに行くか。結局と領土確認しに探索しただけで、拾うことを頭の隅から消えていたからなぁ」


そう、ここリベルダ領土。

東京ドームがザッと100個は余裕に超える広さなのだ。

北方領土を全面的にあるせいか、人間は勿論、コボルト、ドワーフ、エルフといった種族は住んでいないようだ。

道中、南の方には街らしきモノはあったけど、とてもじゃないけどさ?

人が住んでいるような街って感じじゃなかったんだよな。

廃墟に近い感じだったからさ。


「っと…赤の魔石を拾いに行かないと。序でに赤があるなら青、緑、黄、黒、白…ってあっても可笑しくないし、それもあれば拾っておくかな」

何たって生活魔法の中に収納ってあるみたいだし?

まあ、生活する上で収納とか火力調整って大事だもんな。

さっき、魔法の詳細を確認したんだ。

詳細っていっても簡潔だったけど。


≪生活魔法について≫

・日常生活に必要な魔法です。

魔法は以下の発音で出来ます。

・収納:ストー(仕舞うモノを前に言いながら発音)

・検索:リトリヴァル(欲しいモノを前に言いながら発音)

・温風:ウォーム・ブリーズ

・浄水:ウォータ・リファイア

・照明:ライティング

・弱火:ロウ・ヒート

・中火:マダレト・ヒート

・強火:ハイ・ヒート


という感じだ。

とりあえず、外に出て試しにやってみよう。

≪赤の魔石、リトリヴァル≫

塩を作る上で必要になる魔石がどこにあるのか、俺は検索魔法を唱えてみた。

すると、地面はキラキラと赤く輝き出したのだ。

どうやら、魔石のある場所のようだと思いながら、俺はその場所へと向かったのである。

そういえば、転生の会場でさ?

また、石かよって吠えていたヤツっていたなぁ。

まあ、今頃はまた、石として転生しているんだろうけど。


『いてっ!』

ん?何か踏んだ?俺?足下から声がしたぞ?

『さっさとその足をどけよ!オレと同じ転生者!』

「えっ…あ、ああ…」

その声に言われるままに俺は、そっと足をどけたのである。

『ふぅ…助かったと言いたい所だが、オレはもう…駄目だ…』

「お、おいおい。そんな簡単に駄目だと諦めるなよ。やっと同じ転生者(?) に会えたっていうのに。つーか…良く俺が転生者って分かったな」

『当たり前だ…。オレもあの会場にいたんだからな…。約5万年も…踏まれずに済んだってのに…久々に…それも超説久々に…踏まれるとはな…』

「そ、そうか…。それは悪いことをしたな…」

『別にいいさ…。どうせ…次の人生も…石だし…もう…諦めてるさ。人間だった頃…オレは…人を殺し過ぎたからな…当然の報いだし…。そ、そうそう…魔石は…色々と…使えるから…色々と…使ってみるといい…。調味料を始め…生活する上で…便利だぞ…』

「色々…か」

『ああ…色々だ。じゃあな…異世界で…また…会うことになるだろうが、その時は…宜しく…だぜ…』

そう言い残しながら、跡形も無くと石は砕け散ったのである。



「まさか…転生した石にこんな所で会うことになるとは。そして、その石を俺が無意識で…。とにかくと魔石は色々と使えるのか。確かに城にある電気製品系は魔石を使っていたな…。期限は書かれていないから恐らくは無期限なんだろうなぁ。普通は有限なんだろうけど」



まあ、細かいことは置いといてだ。

改めて魔石を検索しながら探しに行くとしよう。

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