第225話 長々遠距離攻撃術式《フェニックス》
《ぬぅ。大都市全てを覆える結界とはな……だが、それもいつまで持つかな!》
シルフィード・フォッケウルフは頭部の竜の脳髄が結晶化したカーバンクルから竜語魔術のデータを引き出し、火球を作り出し、魔術爆撃を決行する。
天蓋結界に接触し、次々と炸裂していく火球。
劣化しているとはいえ、竜語魔術で構築された魔術ならば、人間の結界など容易く貫通できるが、これはリュフトヒェンが地脈を操作して竜語魔術で作り出した結界である。そうそう突破できるものではない。
一機の一番年若いパイロットは中々突破できない結界に切れて、魔術爆撃に集中すりる。
《シルフ1からシルフ4へ。冷静さを失うな!周囲の警戒を忘れるな!いつ敵の竜がくるかもしれないんだぞ!》
《り、了解。周囲の魔力レーダーを調べる役割に戻ります。……。レーダーに感あり!強力な魔力熱源体がこちらに急速接近中!!》
シルフ4と呼ばれた機体は、他の機体と異なり背中に巨大な円形の物体、いわゆるレーダーレドームを搭載している。
いわゆる、攻撃機であると同時に簡易的な早期警戒管制機なのだろう。
この巨大な魔力レーダーレドームで敵の接近を感知したのだ。
《シルフ4はこの空域から離れて敵データを転送しろ。シルフ2,3は俺と共に敵竜を迎撃。我ら竜機部隊の本領を発揮するときが来たぞ!!》
《了解ッ!!》
《シルフ4,敵竜の位置データ転送を行え、これより長々遠距離攻撃を決行する!
長々遠距離攻撃用フェニックス攻撃術式展開!槍を放て!!》
そのシルフ1の通信と共に、シルフ1から3の機体の下部に炎の鳥が構築されていく。
それは炎の鳥の分体を召喚して、遠距離から相手に叩きつけていく術式である。
そのシルフ1の言葉と共に、炎の鳥の形をした魔術攻撃術式は、遠距離に存在するリュフトヒェンやアーテルへと大気を引き裂きながら発射される。
《!?バカな!あれほどの遠距離からこちらを正確に攻撃してくるじゃと!?
ええい!急速回避!!》
いきなりの長遠距離からの攻撃を予期していなかった二機は、体を傾けて急速回避を試みようとする。
だが、シルフ4のレーダーレドームが正確に彼女たちの魔力波動を探知し、動きを正確にとらえているため、フェニックスは正確に彼女たちの回避を物ともせずに追尾を行ってくる。
《チャフだ!鱗をばらまけ!!あとは魔力分身もだ!!》
《ええい!めんどうくさいが仕方ないか!!》
そのリュフトヒェンの声と共に、二人は周囲に自分の魔力波動のこもった鱗をばらまくと同時に魔力で自分のダミーを作り出し、フェニックスを誘導する。
さすがのフェニックスもそれを判断しきれずに、ダミーや鱗に突っ込んでいって四散する。
だが、戦いはまだ始まったばかりである。
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