第4話 生き残り



 ロルカは帯刀して森を歩いていた。


つるぎは以前のものに比べると細くて軽い。

鞘は朱塗りの鮮やかな色であるが装飾などはない。

つかも同じように飾り立てるような宝石などもないが、手に馴染む感覚が柔らかく持ちやすい。


暫く歩いていると剣が語りかけてきた。


「もうすぐで森を抜ける。森を抜けて真っ直ぐに歩くと村に出る。そこでお前の食糧を買える」


「パステルナークと言ったな、剣はやはり何も食べなくても良いのか」


「空腹になどなることはない、虚しくなる時はあるが・・・。」


「今、何か言ったか」


「何でもない、食糧を手に入れると更に真っ直ぐに道を行け。そこで仲間を手に入れる」


「仲間がいたのか」


「風の者と呼んでいる。以前は何人もいたが、今は一人だけだ」


「どうしたんだ」


「皆、妖魔に殺された」

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