猫のしつけ

三枝 優

出会い

 しばらく、うちのご主人(奥さん)が留守にしていた。

 その間、旦那さんはそわそわと落ち着かない様子。



 1週間ちょっと。



「ただいま~」


 帰ってきた奥さんは、白いタオルにくるまれた何かを抱えてきた。


 和室に座った奥さんはその包みを大事そうに抱えている。

 旦那さんはその包みを心配そうにのぞき込んでいる。


 私も、のぞき込んでみた。


 タオルの中には・・・肌色の小さな物体がうごうごと動いていた。

 クンクンとにおいを嗅いでみると、ミルクの香りがする。


「ハナちゃん・・・この子は向日葵ちゃんって言うのよ」


 微笑む奥さん。


「ハナちゃんの妹ね。ハナちゃん・・・この子の面倒を任せるわね」


 そうか・・私に、ついに妹ができたのか。

 責任重大だ。がんばらなきゃ。

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