第6話 追い込み最強馬

 競馬の「ロマン」が逃げ馬なら、競馬の「醍醐味」は「追い込み」。最後方から一気にごぼう抜きするというのは、ある意味、競馬の見所の一つ。


 ということで、私個人が選定する、「最強の追い込み馬」、ベスト5を上げました。( )内は代表的な追い込み勝ちレース。


 5位。ハープスター(2014年桜花賞)

 最後方からのスタート。しかも1位を走る逃げ馬、フクノドリームが最終コーナーを回っても5馬身から6馬身も差をつけていましたが、大外から18番のハープスターが一気にごぼう抜き。


 最後はレッドリヴェールをかわして1着。その凄まじいレースが印象に残り、17頭をかわしてゴールイン。


 ちなみに、父はディープインパクト。圧倒的な爆発力を受け継いでいます。



 4位。ブロードアピール(2000年根岸ステークス)

 追い込み馬にとって、ダートで、しかも短距離というのは、非常に不利な条件なのです。ただでさえ、ダートは芝よりスピードが出にくい。

 が、ダート1400メートル(この時は1200メートル)の根岸ステークス(GⅢ)で、このブロードアピールはものすごい競馬をします。


 この時の実況がものすごく興奮してます。それくらい凄い差し脚を発揮して、大外から抜いて1着。



 3位。ブエナビスタ(2011年ジャパンカップ)

 ブエナビスタは、出場した23のレースのうち、16がGⅠというレベルの高さ。さらにGⅠで6度2着になっています。

 GⅠでの連対率(2着以内に入る確率)が75%という、驚異の数字を叩き出した馬。


 しかも、このジャパンカップは、かつて父のスペシャルウィークが世界の強豪を蹴散らして優勝したレース。親子二代で制覇しました。



 2位。ミスターシービー(1983年菊花賞ほか)

 1983年に、中央競馬史上、3頭目、19年ぶりのクラシック三冠を達成した馬ですが。まあ、古すぎて、私は正直見てません。


 ただ、レースを見る限り、追い込みを得意とし、最後に追い込んで勝っているレースが多く、見る人を魅了してきたとか。


 実績でも追い込み馬らしさの面でも、文句のない名馬です。



 1位。デュランダル(2003年スプリンターズステークス)

 ほとんどのレースで、前半は最後方に位置し、終盤で一気に抜くという、いかにも追い込み馬というレースをしたので、1位にしました。


 また、短距離を得意としており、出場したレース18のうち、16レースが1200、または1600メートル以下。

 短距離は中・長距離に比べて逃げ馬や先行馬が後半にスタミナ切れを起こす可能性が低い=追い込み馬は不利、と言われているにも関わらず、デュランダルは見事なごぼう抜きを披露。


 特に、このスプリンターズステークスは凄かった。1番人気で、その年の高松宮記念、前年のスプリンターズステークスを制していた、ビリーヴを最後の直線で後方から抜き去り、1着でゴールイン。


 追い込み馬というのは、明らかに不利に思えるのに、最後の直線から、異次元の末脚を見せて、文字通り「飛んで」くるようなレースをします。


 こういうのは、競馬を見ていて、「面白い」と感じる瞬間ですね。


 なお、番外編を上げるとすると、ディープインパクト。長距離レースでの追い込みは圧巻でした。もっともディープインパクトは、追い込みだけでなく、「差し」も得意としているので、ランキングには入れませんでした。


 では、また。

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