第20話
どのくらいの頻度で浮気をしているのかは分からなかったが、私たちはあおいが生まれてからしてない。
もちろん処理が必要なのは分かる、私が疲れ果ててるのを気遣ってくれてるのなら、優しいとも言える。
でも私から誘う事は今まで一回もなかった。今更どうやって誘えばいいのか。
私は竜也くんの心まで離れていくのだけは避けたかった。
勇気を出して誘ってみよう。
あおいがぐっすり眠ったのを確認して竜也くんの布団に入る。
「ん、どうしたの?」
目を擦りながら起きる竜也くん。
「あのさ、そろそろ再開しても大丈夫だと思うんだよね」
「あぁ、うん、じゃあ今日はもう疲れてるから、またにしようか」
「そうだね、起こしてごめん、おやすみ」
私はそう言うしかなかった。
きっと竜也くんがいい日に誘ってくれるよね。そう思いながら、眠る事にした。
しかし待てど暮らせど竜也くんが誘ってくる事はなかった。
疲れてるのかな、そう考えた私は竜也くんの休みを狙って誘う事にした。
「ねえ、今日どうかな?」
「ごめん、少し頭痛いから」
「‥‥わかった」
気のせいだよね。そう思ったが何ヶ月経とうと竜也くんはしようとしなかった。
私は自分が必要とされてない寂しさと情けなさで気分が落ち込んでいた。
竜也くんも浮気してるんだから私だっていいよね。
相当な馬鹿だった。
こうきに連絡しようと、覚えていた番号にかけるも、番号が変わっていた。
そりゃ何年も連絡とってないと番号変えても分からないよね。
でも私はここで諦めるわけもなく、かおりにしんじくんに連絡してもらいこうきの番号を聞いてもらう事にした。
教えてもらった番号を登録すると、LINEにも入ってきた。
しかし、そこにはこうきと言う名前ではなくゆうきと表示されていた。
どうゆう事?これは本当にこうきの番号なのか?私は直接しんじくんに聞いてみた。
すると意外な答えが返って来た。
それはこうきが偽名だったのだ。
しんじくんが言うには、こうき、いや、ゆうきは携帯を二つ持っていて、浮気用はこうきで使っていたらしいが最近それがバレて今は使ってないと、しんじくんはそれをすっかり忘れていた上に、うっかり本当の方を教えてしまったらしい。
私は結局あの時待っていたとしてもずっと浮気相手だったって訳か。
それにしても偽名まで使われていたとなると流石の私もショックが大きかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます