第18話
里帰りの一ヶ月は私からしたらすぐだったが、竜也くんからしたらとても長く感じたようで、実家を覗いては早く帰ってきて欲しいなと呟いていた。
寂しかったのだろう。
母親に教えてもらい一通りのお世話を出来る様になった私は帰るのを楽しみにしていた。
一ヶ月も過ぎ、竜也くんの待つ家にあおいと帰る。
竜也くんは忙しいにも関わらず一緒に育児に参加してくれた。当たり前だが、それが出来ない人もいっぱいいると聞いていたので、私は感謝の気持ちを普段から伝えるようにしていた。
夜中や日中も関係なく育児が続く中、私は育児ノイローゼになっていた。
竜也くんがいる時はいいが、普段いない事が多い為どうしてもワンオペ状態になっていた。
竜也くんのご飯さえまともに用意できない時が続いた。それでも竜也くんは私の分まで作ってくれたり、本当よくできた旦那だと思った。
これと言った喧嘩やトラブルもなく、あおいが一歳を迎えた。
私もそろそろ仕事がしたくなっていた為、竜也くんに相談した。
「うちそろそろ仕事したらダメかな?」
「あおいはどうするの?」
「保育園に預けようと思って」
「そっか、れいも育児ばかりで外出たいよな」
「それもあるけど、少しでも貯金がしたくて、これからどんどんお金かかるでしょ?」
「わかった、でも無理は禁物だよ?出来る範囲でいいからね」
「ありがとう」
こうして私はあおいを保育園に預け、雇ってくれる事になったコンビニで働く事になった。
時間は朝から昼過ぎまでだ、仕事が終わったらあおいを迎えに行って買い物をして帰る。
とても忙しくて、世のお母さんはこんなにも大変だったんだと、女で一つで育ててくれた母親に改めて感謝しないとと思った。
仕事とはいえ、自由になった気分だった。昼間の時間は主婦の人も多くてすぐに溶け込めた。
私は周りより少し若いお母さんだが、それでも変な目で見られる事もなく色々育児の事を教えてもらったり、充実していた。
あおいも出来る事がどんどん増えて、携帯のアルバムはあおいでいっぱいだった。
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