第16話 こんな奴に寄ってくる猫様も、いないでは、ない。
今回は、猫に悪口ではなく、猫に寄り付かれたお話。
そもそも猫に向って先祖の仇のようなことを言う私なんかに寄ってくるような猫様なんていないだろうと思うのですけど、それでも、寄ってくる猫さんは、いないわけでもありませんでした。
今回は、そんなお話。
2001年の夏頃のこと。
母上様(明治時代の寒漁村民様?)から、ある夜、こちらの仕事(学習塾)が終わった頃に、突如、電話がかかってきました。
まあその、見合いをしろ、婿養子にどうだという話が、とのこと。
それを持ってきたのは、母が若い頃勤めていた病院の院長夫人。
私はさすがに、激怒! ってことになりました。
まあそのセリフも、フルッておりまして、あちこちで披露しておりますけど、一応ここでも、披露しておきます。
わしゃ乞食じゃねえ!
そんな話を聞くぐらいなら、12月23日午前0時2分をもって、巣鴨プリズン13番刑場で、大日本帝国万歳、天皇陛下万歳各々三唱して、A級戦犯として絞首刑になった方がましや!
ここまで言った手前、そんな縁談どころか見合いも成立ったわけもないです。
それはともあれ、その院長夫人さん、わしに会いたいと仰せ。
で、行ったのよ。わざわざ販日がかりで、岡山県東部の日生まで。
で、その院長さん宅、猫様がたくさんおられましてね。
ペルシャの白さんは、私を見て、これが噂の・・・、って感じで、呆れた顔をされていましたね。
他の猫様方も、そこまでじゃないけど、私を遠巻きにしていたっけ。
でも、1匹だけ、家猫の鏡のような猫さんがいて、この方だけは、違った。
院長夫人や知人でもあろう母上様の膝にも乗っかるのだが、わしのところにも、乗ってきたのよ。もっとも、向こうに3回乗るなら、こっちには、1回から2回までの範囲で、いささか少なめではあったけど、ぴょんと、乗って来られた。乗ったと思ったら、その足で、横にいた母上様の膝に飛び乗ったりされていました。
猫は、嫌っている人間には近寄らないどころか、姿も見せんという話らしいけど、私に乗っかってくるその猫さん、何を思ってそんな行動に出られたのやら。
ひょっと、母上様と私が間違いなく親子だということを、肌身で知っていたのかもしれませんな。
何かニャ、巣鴨プリズンで絞首刑とかわけのわからんことを言うアンチャンらしいけど、何や、たまに見かけるこのおばさまの息子じゃないかよ。
DNA鑑定なんかするまでもないわ、そんなの、猫でもわかるニャン。
そんなことをお思いだったのではないかと、思っとるのよ。
ひょっと最近、世界猫類のことを書きだしたのも、その猫さんのおかげかもしれんなと、そんなことを、思ったりもする。
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