波紋
ある人の一つの態度には
必ず背景があるものだ
別に君が嫌いとか見くびってるとか
…も、あるとは思うけど
つまり彼は他人をナメるような人間だということで
だからこそそんなに囚われないで
ひょっとしたら単に人間がおかしいから
そういう発言をするのかもしれないし
もしかしたら彼が君に同情すると
自分自身の過去の罪悪感を刺激されてしまうとか
だから別に君にそんなに思い入れがあるわけじゃない
だから君が悪いわけじゃない
ただ、君は彼の心に何らかの波紋を投げかけた
君は君でご注意あれ
例えば君が憎んでやまない奴を
君が愛してやまない人が会わせたとして
別にその人に幻滅しなくっていいんだ
愛すとこは愛して、憎むとこは、そこはそこでそうしよう
いつだって波紋は投げかけられる
だけど、そのまま流されないで
自分自身の気持ちを大切にして
心に揺るぎなき大切なものを
負の感情を大切に
笑うことは許されて
怒ることは止められる
そんなアンバランスじゃ、いずれ崩れゆく
人間だもの
ただ、君は彼の心に何らかの波紋を投げかけた
君は君でご注意あれ
自分の中にないものには何も感じないから
嫌悪感も不愉快さも、怒りも憎しみも
だから貴方が俺の言葉に“何か”を覚えたなら
そこには何かの意味がある
なんかタイミングが悪い、ということがある
特に仲や相性が悪いわけではないのに
なんかタイミングが悪い
ひょっとしたら“何かある”のかもしれない
決して仲が良くなってはいけない、とか、
あるいは、強烈な運命で結ばれてる、とか
いずれにせよそれは今はわからないし
いずれにせよ彼は全く気にしてない
ただ、君は彼の心に何らかの波紋を投げかけた
君は君でご注意あれ
世界はいつだって何があるかわからない
明日からもまた絶望に満ちた悲惨な日々が続くのだ、なんて
悲観的な思い上がりだ
“それ”はいつだって誰も眼もくれないところから姿を現す
世界の危機はいつだってそこらじゅうにごろごろしている
そう、君は彼の心に何らかの波紋を投げかけた
君は君でご注意あれ
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