第322話 アートでパリッと五輪

ダイラ先輩とクワヤマダくんは、パリ五輪のオープニングセレモニーを観た後、カフェでその壮絶な光景について話し合っていた。


クワヤマダ:「ダイラ先輩、昨日のオープニングセレモニー見ました?もう、何から話せばいいのかわからないくらい凄かったです!」


ダイラ:「ああ、見たよ。マリー・アントワネット風の斬首ショーから始まって、血しぶきが上がるなんて、まさに芸術だね!近所の子供が目を丸くしていたよ。」


クワヤマダ:「あれ、完全に度肝を抜かれました。しかも、半裸の河童みたいなおじさんが貝殻から飛び出してくるって、どういう発想なんでしょうか?」


ダイラ:「フランスのエスプリ(魂)だよ、クワヤマダくん。あの奇妙な演出も、一種のアートパフォーマンスだ。普通の開会式じゃないからこそ、世界の人々の記憶に残るんだ。」


クワヤマダ:「それに、五輪の旗を逆さまに掲げるなんて、そんなミスするものですかね?」


ダイラ:「あれも、意図的なアートだと考えると面白いね。伝統を打ち破ることで新しい視点を提供するという、非常に現代アート的なアプローチだよ。」


クワヤマダ:「韓国の選手団を北朝鮮と紹介したのには驚きましたけど。」


ダイラ:「一種のブラックユーモアかもしれないね。政治的なメッセージを含んでいるのかも。フランスらしい風刺だよ。命がけのジョークだけどね。間違えたアナウンサーは今頃マリー・アントワネットかな。」


クワヤマダ:「でも、大腸菌まみれのセーヌ川でトライアスロンをさせるなんて、さすがに酷いですよ。選手たちが体調不良になるのは当然ですよね。」


ダイラ:「数億円かけて浄化したらしいから、選手の気のせいかもしれないけど、過酷な環境もまた、アートとしての試練だよ。選手たちが健康や安全を犠牲にしてまで競技に臨む姿は、まるで現代の英雄たんだ。」


クワヤマダ:「そういえば、エアコンのない選手村で異常気象の中で過ごすなんて、まさに地獄ですね。」


ダイラ:「それも一つの作品として捉えれば、自然と人間の対立を描いた壮大なインスタレーションだ。選手たちはその中でどう対応するかという、リアルタイムのドラマを演じているんだよ。」


クワヤマダ:「そういえば、日本のアニメ『ハイキュー』に憧れたフランス人が日本代表を異常に応援しているっていうのも驚きました。まさに文化の融合ですね。」


ダイラ:「アニメが国境を越えて人々を結びつける。その現象自体がアートだよ。フランス人が日本のアニメキャラを応援することで、新たな文化的な交流が生まれているんだ。ジャポニスムの再来だね。フランスの漫画喫茶はどこもかしこもパリっ子で満室さ。」


クワヤマダ:「こんな運営は、さすがに頭突きの英雄ジダンもテレビを見ながら真っ青ですね。」


ダイラ:「そうだね。でも、その無茶苦茶さこそがフランス五輪の魅力だよ。予測不可能な出来事が次々と起こる中で、選手たちも観客も新しい体験をしている。それがまさにアートなんだ。」


クワヤマダ:「なるほど、そういう視点で見ると、全てが新鮮で面白く感じますね。パリ五輪、最高です!予測不可能なブーカの時代を演出していたのですね!」


ダイラ:「そうさ、クワヤマダくん。アートとしての五輪を楽しむことで、私たちも新しい視点を持つことができる。これからもこの無茶苦茶な運営を楽しもう!」


二人は笑い合いながら、パリ五輪の奇想天外な運営をアートとして楽しむ新しい視点を共有し、次の驚きを期待していた。







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