第257話 「怪物校長」
校長:ダイラさん、是枝監督の「怪物」は観ました?
ダイラ:観ましたよ。さすが、是枝監督って感じですよね。
校長:はぁ~。確かに、是枝監督やカンヌ国際映画祭 脚本賞を受賞した、坂元さんの凄さは分かるんだけど。前半の教師たちの対応を観た人には誤解を与えるような気がするんだよね。
ダイラ:そうなの?実際の現場はあんな感じかと思いました。
校長:いやいや、あんな対応をするような教師は今時の教育現場にはいられませんから。あれは、私も観ていて残念な気持ちになりましたよ。あんな教育現場に誰が魅力を感じると思いますか。最後まで観れば、ある程度誤解は解いてもらえますが・・。
ダイラ:そうですよね。現場であんなことが日常茶飯事であるなら、誰も教師になりたいと思わないですよね。ましてや、あの校長役の田中裕子の言動は脳裏に焼き付く怪物ぶりだった。
校長:教師不足に拍車がかからなければいいんだが。採用試験の受験者数の激減は社会問題です。将来この国をつくる子どもを教育する人間がいないなんて、国運営の根幹に関わること。
ダイラ:昔は、金八先生やGTO、教師ビンビン物語、ごくせん、スクールウォーズなど、教師を一度はやってみたくなるTVドラマが多かった気がするけど、最近はあまり魅力的なドラマがないですよね。
校長:ドラゴン桜は話題に上がったけど、それ以外はない。ドラマや映画の影響力は計り知れない。
ダイラ:教師業に魅力がないわけじゃないけど、それ以上にブラックな職場という負のイメージが強くついている。
校長:マスコミの影響やSNSでの教師叩きがあるからなぁ。本当は、毎日子どもたちとの掛け替えのないドラマが展開するいい仕事なんだけど。その割には給料が安く、残業代が出ない、休日に部活があるなど、割に合わないと仕事と断罪されてしまう。
ダイラ:ドラマや映画は教師をテーマにするからダメなんだよ。テレビや映画を観ている世代は団塊世代か、団塊ジュニア世代でしょ。40歳から70歳、教師ビンビン物語じゃなくで、方向性としては校長ビンビン物語なんじゃないの。
校長:なるほど!そう言えば最近、歌番組は懐メロ曲ばかりだわ。若者はそもそもテレビや映画を観ていない。それなら打つ手があるかもしれない。
ダイラ:若者に見せたいんなら、YouTubeかNetflixですよ。
校長:教師ユーチューバーが活躍できる世の中になれば、若者の心に教師の魅力が届くかもしれない。
ダイラ:教師のユーチューバーじゃなくて、今活躍しているユーチューバーを教師にすれば早いよ。
校長:フムフム。それも一理ある。教育界が今までタブーとして踏み込まなかった分野との提携が、この国の教育を救うかもしれないな。ヒカキンに打診してみよう。
ダイラ:教育のあり方を見直すチャンスだと思って、新しいことにチャレンジしてみてください!子どもの興味関心を大事にする分野なのだから、子どもが食いつくものの研究を深めてほしいなぁ。
校長:よし!オレは怪物校長になって大改革をするぞ!
ダイラ:教育の夜明けを楽しみにしています!
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