道化公
哀しみを覆い隠して気丈に振る舞って
怒りを押し殺して笑顔を貼り付けて
望まれているから、だけどそれだけじゃない
真の姿を見つめてしまうのが嫌だから
そこに哀しみと怒りがあることが怖いから
“そんなやり方は駄目だ”とは容易に言える
どんなやり方も絶対はないから
世の中、どんなものにでも隙があるから
でもそれなら、あなたが“より良いやり方”を提案して
そしてそれをすればいいのに、あなたはそんなことはしない
そうだろう そうだろう
だってあなたは、問題を解決したいわけじゃないんだもの
ただ自分が“突破”も“達成”もできないからこそ
闘う人を諦めさせたいだけ
哀しみを覆い隠して気丈に振る舞って
怒りを押し殺して笑顔を貼り付けて
望まれているから、だけどそれだけじゃない
真の姿を見つめてしまうのが嫌だから
そこに失望と無念があることが怖いから
将来のヴィジョンをしっかり見据えた上で
入念に構築されていった完璧な論理
世の中、どんなものにでも隙があるけど
とどのつまりあなたにそれを論破すること、破壊することはできない
あなたは自分にとっての将来のヴィジョンがわからないから
そして世界はより良くなっていく
どんどん便利になっていってる世の中がそのいい証拠
--でも、今、目の前で餓えている人に
“正論”は、何ができるのだろう?
今この瞬間、“何”をしてあげられるのだろう?
哀しみを覆い隠して気丈に振る舞って
怒りを押し殺して笑顔を貼り付けて
望まれているから、だけどそれだけじゃない
真の姿を見つめてしまうのが嫌だから
そこに達観と虚無があることが怖いから
そう、笑っていればいい
なんてことないって顔で
例えば俺が俺にとっての真実に辿り着けたなら
それを人々に知らしめる必要はないし
また俺が辿り着いたのはあくまでも俺なりの真実だから
誰にも共感してもらわなくて構わないし
そして俺の真意を知りたければ俺の千の詩を読めというのは
あまりにも乱暴で
求める気はない
求める気はないからこそ
より良い世界を夢見る
それを夢見るだけで
ただそれだけで
ただそれ“だけ”で
俺もあなただろうか
あるいはあなたは“諦めて”しまったからこそ
あなたは、あなたの望みが砕かれてしまったからこそ
そう、笑っていればいい
なんてことないって顔で
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