Apexブラックキング〜最下級兵士から最強の王へ〜
@taravs
第1章「シオンベルク城略奪編」
エピローグ「黒崎白夜へ」
これは世界最大の、あるパーティーでの出来事だ。
「白夜、君は本当にすごいわ。
最も人間に近い最下級兵士、それもドベから全大陸を支配する最強の王になるなんて……黒城軍全兵士の誇りよ」
「それは俺だけの力ではない。君たちが頑張ってくれたおかげだよ。君たちがいなければ今の俺はない。だから感謝してるよ……君たちにも。真奈姫にも……本当に愛してるよ」
黒崎は赤ん坊を触るようにポンポンと叩いた。
「え……」
真名姫の頬は燃えさかるように紅潮した。
黒崎は情欲に抗えず真名姫の体を抱き寄せた。
「今はまだ……」
真名姫の胸の高鳴りが黒崎の体を通じて伝わってくる。
「俺も、もう我慢できないよ」
「いいよね……?」
「うん……」
真奈姫は甲高い声で叫んだ。
兵士たちはニヤニヤしながら仲間たちと談笑しているだけで、詮索しようとはしなかった。
「どうしてなの……愛してると言ったじゃない……」
「だから殺るんだよ」
真奈姫の脇腹には一本のナイフが刺さっていた。
黒崎は空気をひっかくような笑い声を上げて会場へと向かった。
「皆、よく集まってくれたな」
黒崎は誕生日前の子供であるかのように目を輝かせていた。
「ついに最強の王になられましたね」
「あぁそうだな 我の祝いに皆、目の前に横に並べ。贈り物がある」
部下たちはリズミカルに黒崎の目の前に並んだ。
「いったい何でしょうか?」
重鎮は笑いを堪えきれず震えた声で言った。
最強の王からの贈り物とは一体どんなのだろうと期待を膨らませずにはいられなかった。
「急で悪いな」
「いえいえ何を仰られますか、|最強の王(ブラックキング)らしくありませんよ」と
さぁ早く、早く。
そんな心の中の声が耳にまで聞こえてくる。
黒崎はその兵士に弾けるような笑顔を見せた後、部下たちへの感謝の言葉を手短に伝え、"贈り物"を渡した。
いずれも最高級の剣だ。
「こ、これは……」
一体の兵士が地面を叩き割るかの如く土下座をした。
それにつられて他の兵士らも同じ態勢になった。
「我々は一生、ついていきます」
「どこに?」
「へ?」
一体の兵士が顔を上げようとした途端、胴体をズタズタに切断された。
「……ッッ!!」
荒い息を吐きながら振られた剣は、2体目、3体目、4体目……。目にも止まらぬ速さで斬殺していく。
その時の黒崎は破顔大笑していた。
今まで誰にも見せたことがないほど歪んだ笑みだった。
「弱ぇな……」
こんな惨劇の中、虫唾が走るような言葉がボソッと呟かれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます