5.熱中するけど何かあると急に冷める

 そうしたら、山根先生の罵声が私に浴びせられたの。


 「望月さん。あなた何をやってるの。リズムがずれてるでしょ。みんなに合わせなさい」


 私は一生懸命にみんなの動きに合わせようとしたのよ。だけど、うまくいかなかった。ダンス部の練習でこんなことは一度もなかったのに。どうして?・・そう思うと、私はますますあせってしまったの。


 結局、今日の練習はさんざんだった。山根先生からものすごく叱られてしまったの。あんなに叱られたことは今までなかったわ。


 部活が終わって学校から自転車で帰るとき、私の心にダンスなんかもうやめたいっていう思いが浮かんできたの。


 私なんか、ダンスに向いてないんだ。もう、ダンスなんてやめてやる。もうどうなってもいい・・そして、自分が嫌になってきたの。もう、生きてることが嫌になったの・・私の眼に涙が浮かんできた。私は泣きながら自転車を漕いだのよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る