前のエピソード――リング・オブ・キング・ソロモン【Ring of King Solomon】

〇アイテム名：『魔力隠しの指輪』（リング・オブ・コンスィール・マジック）【Ring of Conceal Magic】

〇概要

　装備者の魔力を隠す効果を持つ指輪。

　魔力を有する者は誰もが微量の魔力を体外に放出しており、魔力を感知する能力に秀でた者は居ながらにしてその魔力を察知し、相手の魔力の強さやコンディション、位置などを知ることが出来る。この体外に放出される微量の魔力を抑制し、他者に魔力を察知されないようにする魔導具（マジック・アイテム）である。

　ゲーマーの遺（のこ）した聖遺物（アイテム）を参考に模して造られたコピー品でオリジナルより性能が劣る。

　複数を同時に装備することで隠蔽効果を高めることが出来るが、２つ装備すれば効果が２倍になるという単純なものではなく、装備数の平方根に比例する。つまり２つ装備した時の効果は１つ装備した時の約１・４倍、３つ装備した際の効果は１つ装備した際の約１・７倍、４つ装備でようやく２倍程度とされ、５つ以上の重複装備はあまり意味がないとされる。

　ムセイオンでは多数の聖貴族たちが集められていたが、ムセイオンで育った聖貴族たちは魔力の強弱を基準にした階層社会を無意識に創り上げるようになったため、これを防ぐために大量に作られ、ムセイオンにいる全ての聖貴族は装着を義務付けられることになった。このため、ムセイオンに収容されている聖貴族やムセイオンに留学したことのある魔力保有者はこの指輪を装備している。

　現在ではムセイオン関係者を示す目印のように位置付けられ、ムセイオン聖貴族と特別な関係にあることを示したい富裕層などは魔力なんか持ってなくてもわざわざ大枚はたいて購入し、装備して見せびらかしていたりする。