トガ【TOGA】

〇アイテム名:正衣トガ【TOGA】

       複数形は「トガエ【TOGAE】」


〇概要

 レーマ帝国の正装で、非常に長く大きな布を左肩にかけるように胴に巻き、一端を左腕にかけて保持する。貫頭衣トゥニカの上から着るのが普通だが、一人で着るのは難しい。

 「トガ」という単語自体は広義には「衣服」全般を指して使われることもある。また、正衣トガは上流階級の者が着るため、「貴族」や「雇用主」「依頼人」を指す隠語として使われる場合もある。また、着崩れしやすく落ち着いた平穏な時でなければ着こなせないため、「平和」を比喩するために使われることもある。


〇種類

 以下のような種類があり、身分によって着用に制限がある。


・トガ・ピクタ【TOGA PICTA】

 元々は皇帝専用のトガで、紫色に金の刺繍が施されている。

 皇帝以外では凱旋将軍のみが特別に着用を許され、この場合は紫ではなく緋色。

 現在では実戦を経験した軍団レギオー幕僚トリブヌス以上の身分で所属していた上級貴族パトリキが、実戦に参加したか否かに関わらず勝手に着るような事例が一般化しつつある。


・トガ・プラエテクスタ【TOGA PRAETEXTA】

 高級官僚・上級神官及び未成年者用のトガで、緋色の縁どりがされている。


・トガ・トラベア【TOGA TRABEA】

 下級官僚や下級神官用のトガ。

 身動きがしやすいよう、少し小ぶりだが、身分を強調するために緋色や紫に染められている。ここでいう紫は皇帝用のトガ・ピクタに使われるような深い紫色ではなく、サフランのような薄い紫。

 神官のトガは縞模様。


・トガ・カンディダ【TOGA CANDIDA】

 官職立候補者用の真っ白なトガ。レーマ人は選挙に出馬する際、トガを漂白するか白く染めるなどする習慣があった。このため真っ白なトガは「候補者カンディダ」と呼ばれるようになっている。


・トガ・ウィリリス【TOGA VIRILIS】

 「精悍なウィリリス」と名付けられた通り、法定成人年齢に達した成年男子が着用する無地無染色のトガ。だいたい二十ぐらいまでの青年が着る。


・トガ・プルラ【TOGA PULLA】

 庶民プレブスのトガ。装飾はなく色も羊毛そのままの淡いベージュ。

 トガは重く、裾も長く、着崩れやすくて煩わしいため、近年でトガではなくクラミス【CHLAMYS】と呼ばれる略装で済ますのが一般化しており、庶民がトガを着ることは稀になっている。


・トガ・プラ【TOGA PULLA】

 喪服用のトガで濃い灰色で染め上げられている。

 身分を問わず葬式の時などに着用する。

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