秘密

「今日は智花来ないのかな。」


不覚にも誰も目の前におらず、自分一人だけだったためこの言葉がこぼれてしまった。

周りの友達からは

「智花ってお前の事好きなんじゃね?笑」

とよくからかわれることがある。


「もし好かれてたとしても俺は絶対に奴とは付き合わない!!」


そう心に決めていたのに最近はこの気持ちも薄れてきた。


結局今日1日奴は学校に来なかった。


「聡志、お前智花と家近かったよな。これ届けてやってくれないか?

大切な手紙だから今日中に頼んだぞ。」


「わ、わかりました。」


先生が奴に届けてほしいと、大切な手紙を渡してきた。

俺と奴の家の距離は大体50mほどしか離れておらず、俺の家の方が若干遠い。


「まぁいいか。」


俺は帰り道の途中コンビニに寄り奴が好きな白桃ゼリーを買っていくことにした。


「って、自分からパシリになってどうすんだよ!?」


店を出た後にそう思ったが、先生の相談を飲んだ時点で奴のパシリになったことは確定だった。


ピンポーン

俺はインターホンを押した。


「はーい」

「竹山聡志ですけど、智花さんいますか?」

「あ、聡志くんね。今呼ぶから待っててください。」


お母さんが出たようだ。

だが、俺は奴のお母さんにあったことがない。


「なんで奴のお母さんが俺の名前を知ってるんだ?もしかして...いやそんなこと無いか。」


「ごめんね。今智花熱出しちゃってて、部屋から出られないらしいの。ところで何のご用だったの?」


「学校でもらった手紙を届けに来ました。大切な手紙らしいです。それと、これ。白桃ゼリーを智花さんにあげてください。早く体調直してねって言っといてください。では失礼します。」


「わざわざありがとうね。」


1階から何か声が聞こえる。


「聡志が私のためにゼリー買ってきてくれたの...?」


「ともかー

聡志君が白桃ゼリー買ってきてくれたって。ちゃんとお礼言っときなよ。」


「うん...」


「どうしたの?」


「いや...このままだと私どうなるのかなって。」


「大丈夫よ。きっと良くなるわ。」



私はどうなってしまうのだろうか。

お気づきの通り私は持病持ちだ。病気が発覚したのは中学3年の頃。

敢えて病名は出さないようにしようかな笑

最初はどうせ大丈夫でしょって思ってたけど結構重い病気で今はお薬で治療中。


ありきたりな展開だなって思うでしょ?笑


去年のあたりから体調があまり良くなくて、この高校に転校してから毎日休まずに登校してたせいで少しづつ病態が悪化していたみたい。


このことは私と両親以外知ることはない。


はずだったのに...

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