恋をした相手は一番嫌いな奴

憂鬱な日々

俺の名前は竹山智。この名前を聞いたこと無い人はほとんどいないだろう。

20XX年現在、俺はプロの格闘家として活動している。

階級はバンタム級。戦績は25戦24勝1分。世界の強豪選手にもほとんどの試合ではKO勝ちしていて試合決定率は97％。ストライカーだ。

今日は休日。試合を控えているためいつものようにハードなトレーニングはせずに軽いスパーリングとフィジカルトレーニングを行った。

「今日あちーな。もう夏だなこりゃ。」

こんな独り言をこぼしながら俺は今とある場所へ向かっている。

１０年前俺はとある人物に恋をしていた。

山之内智花

俺はこいつが大嫌いだった。

いつも問題ばかり起こしては先生に叱られ何度も何度も同じことを繰り返す、学ばないやつだった。

「おい！智！！」

この声が聞こえてきたとき、

「またかよ...」

憂鬱な１日の始まりだった。

あの日までは。