殴りかかってくる男たちに対して、クロウは隠し持っていた砂を顔にかけて、目潰しをすると、火の魔法で男たちのズボンのお尻を燃やした。

「何しやがるんだこのガキ！」

「マリーナ姉さん、さあ逃げましょう！今のうちに！！」

「え、どうして？この場合正当防衛よね？」

「でも相手は5人もいるし、、、」

マリーナはクロウの行動の意味が、全く理解ができなかった。

攻撃するというのは世間ではこんなに生易しいものなのかしら。

正当防衛なのよね。面倒だから分飛ばしてしまってもいいわよね。

「なぎ払え！磔ろ！Gravity！」

男たちが強烈な力で吹きとばされ、少し浮き上がったかと思うとマグネットのように壁に貼りついた。

みんな意識を失っていた。

後ろを振り返ると、クロウが口をあんぐりと開けて立ち尽くしているのであった。

◆◆◆◆◆

その頃、隣国の皇子ナイトハルトから通信魔法で連絡を受け取ったあの国の王太子は、あの子爵家の内情について詳しく調べるようにと、影に命じていた。

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