第12話

「このダンジョン・星の世界は、7年ほど前に現れた、比較的新しいダンジョンで、現時点で地下36層までが踏破されています。


初めて挑戦される方は、地下1層からの挑戦となります。層を進むごとに出現する魔物の強さやトラップの精度が上がっていき、階層面積も広がっていきますので、着実に実力をつけながら挑戦されることをお勧めします。


倒された魔物の素材や宝箱アイテムはダンジョン受付や街中の各種ギルドで売買いただけます。


あと、移動に関しては、各層ごとに1箇所ずつ記録地点がございまして、そこにダンジョンカードをかざすと位置情報が記録されます。

各層の入り口横の転移門にダンジョンカードにかざして、記録のある行き先の層を指定すると、カードのデポジットからお金が支払われ、ご希望の層に瞬時に移動することができます。

デポジットがありませんと、転移はできませんのでご注意ください。


マリーナは転移に必要な費用を尋ねる。


「階層ごとに銀貨5枚です。例えば地上入り口から地下3階層まで転移する場合は銀貨15枚。

地下10階層から地上入り口まで転移で帰還される場合は銀貨30枚となります。」


この世界の通貨は、

銅貨1,000,000枚 = 銀貨1,000枚 = 金貨1枚 となっている。

銀貨1枚で、定食屋のランチが1食分くらいの値段で、銀貨5枚は少し豪華な夕食1食分くらいの値段である。


ダンジョンカードのデポジットは、ダンジョンと提携しているお店での売買をするための、預金口座と連携していることがわかったので、マリーナは所持金の一部の金貨2枚をだし、自分とクロウのカードに半分ずつ入れておくように依頼した。


「マリーナ姉さん、少しもらいすぎじゃない?」


金貨1枚といえば、中流階級の家庭の3ヶ月分の生活費ぐらいに相当する。

クロウは辞退しようとしたが、その分しっかり働いてもらうつもりだからと、受け取らせた。


「お待たせいたしました。こちらマリーナ様とクロウ様のダンジョンカードでございます。」


マリーナはカードを受け取ると、クロウの手を引き、ダンジョンの入り口の扉を開けて中に入っていった。


◆◆◆◆◆


その頃、ナイトハルト殿下は、多くの民衆の証言を頼りに、黒髪美少女のいる2人組が向かったと言うダンジョン都市・スターリンに向かっているのだった。

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