第74話 密室での相談!? その2

 俺はカバンから、数学・英語の教科書を取り出して、一応ノートも取り出す。

 伊藤さんも同じ様に、教科書を取り出している。

 だが、俺と伊藤さんは今から、勉強をする訳では無い。


「……驚いた!」

「三國君は普通コースなのに、置き勉はしないのだね…」


 俺が戸惑い無く、カバンから教科書を取り出したので、伊藤さんは静かな口調で聞いて来た。

 俺はそれを遠慮気味の口調で話す。


「……この二つは苦手教科なので、家に持ち帰っているのです(汗)」

「今日は、課題も出ていますし…///」


「そう……三國君は真面目なんだね!」

「彩織が気にする訳だ!!」


 伊藤さんは微笑みながら言うが、さっきの微笑みより、今の微笑みの方が愛嬌あいきょうを感じた!

 それだけ伊藤さんの中で、二村さんを大切に思っているのだろう。


「そう言われると、嬉しくなります!///」


 俺も伊藤さんに微笑みながら言う。

 学園生活をしていて、真面目で褒めてくれるのは教師位で有り、クラスの連中らに褒められる事はまず無い。


 大半が馬鹿にしてくるか、陰口を叩かれるのが殆どで有った……

 俺のクラスも、典型的なそのパターンで有った。


「真面目の言葉で嬉しくなる……三國君!」

「……君は、心が綺麗そうな気がするわ!」


(!!!)


 伊藤さんは、俺に興味を持った表情で静かに言う。

 俺はその言葉で心が、著しく反応してしまう!!


(俺は二村さんの事で、伊藤さんに相談に来たのに、俺の中では伊藤さんを求め始めている!?) 


 伊藤さんが周囲に冷たい態度を取る理由も、無闇に好意を持って欲しく無いからだろう。

 伊藤さんは特進コースだから、苛めなど起きない環境で有るが、これが普通コースならDQN系がねたんで、苛めてくる可能性が有る!?


 以前……有る青年漫画で読んだ学園物で、美少女を妬んだDQN達が、その美少女を学園内でレ○プをされるシーンが有った!?

 美少女は、DQN男子や女子たちの格好な獲物で有る!??


(……この学園でも、強姦事件は絶対に、起きないとは言い切れない!?)


 葉月学園はマンモス学園で有るため、教員もそれ相応には居るが、やはり学園全体が広いため、全てに教員の目が届く訳では無い。

 DQN系はDQN同士で抗争をしていると耳にするし、川本や信濃だって、松田などの陽キャラ・DQNグループを束ねている。


 大きな苛めは今の所、学年内では聞かないが、他のクラスでは登校拒否をしている生徒もいるそうだ。

 学年クラスも多すぎるから学年の情報だって、自分のクラス及び、両脇クラス位の情報しか得ることが出来ない。


「……どうしたの。三國君?」

「難しい顔付きをして……」


 伊藤さんの事を自分なりに考えて居たのが、俺の顔に出ていたのだろう。


「少し……伊藤さんの事を考えていまして///」


「私の事……」


 俺は落ち着いた口調で言うと、伊藤さんは『?』の表情をしながら呟く。

 俺は穏やかな表情で言葉を続ける。


「はい!」

「伊藤さんは初対面では、凄く冷たい人だと感じていましたが、話して見ると凄く話しやすい人で有って、それに優しい人だなと……」


「……三國君は、彩織を裏切るつもりなの?」


 口調は落ち着いた口調で有るが、伊藤さんは一瞬悲しそうな表情をする!?

 俺はその表情を見て『しまった!?』の表情で言い始める。


「そっ、そんなこと無いです!(汗)」

「俺は二村さんに気が有りますが、伊藤さんが周りに冷たい態度を取るのは、それなりの理由が有るのだろうと感じまして……」


「理由……えぇ、勿論有るわ!」

「私はさっき言った通り、好かれる人は一人で十分だわ!」

「私はアイドルにも興味は無いし、誰からも“ちやほや”されたいとは思ってない」


 伊藤さんは眉をひそめながら、少し感情的な口調で話すが、更に感情を強めながら言葉を続ける。


「普通に町中を歩くだけで、何で知らない人たちに、声を掛けられなくては成らないの!?」

「私は三國君のように、静かな暮らしをしたいわ!!」


 伊藤さんは、俺の生活をうらやんでいるように言う!?

 今は丁度『モテ期』だから良いが、遂数週間前は、俺は完全の落ちこぼれで有った!!

 落ちこぼれの生活なんか、羨まない方が良いよ……伊藤さん//////

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