第2話 お星さま転んだ
銀河はその星が生まれるまでは暗闇でした。
しかしその星が生まれるとその星の輝きで銀河は眩く輝き、そしてその輝きがまるで銀河の新しい朝を告げるような輝きだったから銀河の星々はその星のことを「輝ける明星」と言いました。
今からお話しする物語はその「輝ける明星」のお話です。
銀河はその星が生まれるまでは暗闇でした。
しかしその星が生まれるとその星の輝きで銀河は眩く輝き、そしてその輝きがまるで銀河の新しい朝を告げるような輝きだったから銀河の星々はその星のことを「輝ける明星」と言いました。
今からお話しする物語はその「輝ける明星」のお話です。
星々の言葉でその星の名前をルーシーと言いました。
ルーシーは生まれた時から自分が他の星に比べてあまりにも美しく光り輝き、その光が銀河のどんな暗闇にも届いて光照らすことを知っていました。
(きっと広い銀河を見渡しても僕以上に美しく輝く星なんて見当たらないだろう。僕はこれからもずっと銀河で一番だ!)
でも本当は内心いつも不安でした。
(もしかしたらいつか僕を越えるくらい美しく輝く星が出てくるかもしれない)
だからルーシーは広い銀河を見渡しては自分より美しい星がいないかいつもこっそりと調べていました。
ある時遥か彼方の銀河星雲の中に青い星があることを知りました。
(こんな青い星なんて見たことないぞ)
そう思うとルーシーはその青い星の側までやって来ました。そして青い星を覗き込みました。
するとその青い星の内側で自分とそっくりの星が輝いているではありませんか!
(ああなんということだ!僕とそっくりの星が青い星の中で輝いている)
ルーシーが身を乗り出すように覗き込んでいる姿を近くで月が見ていました。月はルーシーに言いました。
「ルーシー何をそんなに見ているの?」
ルーシーは月に言いました。
「この星の中で僕と同じぐらい輝く星を見つけたのです」
それを聞くと月は青い星を覗き込みました。
「僕は目が悪いようだからあまりよく見えないのだけど、君と同じぐらい美しく輝く星が見えたの?」
ルーシーが頷くと月に言いました。
「お月さん、僕はこの銀河で一番美しく輝く星じゃなきゃ嫌なのです。だから僕に匹敵するような星がこんなところに隠れて居るのが許せなくて。どんな奴か顔を見てやりたい!」
「それは困った考えだね。まぁ好きにしたらいいけど。あんまり星の中を覗き込みすぎると軌道を外れて落ちてしまうので注意しないといけないよ」
やがて月はゆっくりとルーシーの側を離れて行きました。
ルーシーは月が去った後もずっと青い星を覗き込んでいました。
(あまりにも僕と同じ輝きをしている、どんな奴なのだろう。もっとその姿を近くに見たい)
そう思って体を動かした時でした。
ルーシーは軌道から外れてしまい青い星の引力に引き込まれ、そして一直線で青い星の中に落ちてしまったのです。
そして大きな音を立てて深く青い水の底まで落ちて行き、ルーシーは銀河に戻ることはありませんでした。
ルーシーの消えた銀河は再び暗闇に覆われてしまいました。
たまに地球に落ちてくる星があるそうですね。
それはもしかするとルーシーが地球の海に輝く自分の姿を見て落ちた様に少しお調子者なのかもしれません。
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