第30話「気持ちの強さ」

相手側は今まで

 ない程盛り上がっていた


 『おい、もう頭下げれば

 許してやってもいいぞー』

 『一年が調子に

 のりすぎなんだよ』


 などなど、怒号が

 飛んでいる


 だが

 

 こちらもここで弱音を

 吐くほど伊達に

 修羅場をくぐり抜けて

 今の立場にいない


 『3人目』

 

 相手は幹部の1人

 金髪を刈り上げたヤツだ


 バッキーが立ち上がった

 『あいつこの前来たヤツの

 1人だろ?』

と真人に言い


 前に出て詰め寄った


 前川達が

 『バッキーか、どうだ?』

 俺はあぐらをかき

 肘を太ももに当て

 眺めていた

 真人が

 『速攻で動きの速いような

 喧嘩するタイプじゃねーからな

 力勝負ならな』


 俺は

 『まだ3戦目かー、

 勝ち抜きならなぁ』

 と言い


 円になっているヤツに

 

 『ちょっと車でコンビニ

 行って来てー

 スニッカーズとポカリ』

 と言い

 周りの皆んなも

 飲み物や軽い物を

 頼み

 聖川が

 『怪我人まだ出るから

 あと冷えピタと

 ウエットティッシュ』

涼が『弁当』

 と言うので、

 俺は笑って

 『お前冗談だろ?』

と聞くが

 『えっ朝食ってないし、

 コーラ1.5ℓとポップコーンも』

と真面目に言ったから

 珍しく聖川が

 『お前絶対バカ』

俺も

 『弁当とコーラとポップコーンって

 映画でも見るんですか?』


 と言うと

 光ちんが

 『その後車で寝るんだろ?』

と言い

 皆んな爆笑し

 嫌な雰囲気が吹っ飛び

 いつも通りに戻った


 勇が

 『本当に帝南って

 頼もしいよ』

と笑い

 浦学やうちのメンバーは

 マジかよこの人達とゆう

 目で見ている

  

 真人が

 『すぐそこだから往復5分で』

 と言い

 急いで買い物に行った


 相手側から

 『逃げんのか?助け呼ぶのか?』

 とバカにした声が聞こえてきた

 ので

 『腹減ったから飯だバカ』


と言うと

 バッキーも

 『俺も弁当!!』

と言い

 『あの人達こんな時に正気かよ』

と相手側もこっちのメンバー

からもボソボソ聞こえるが


 『涼と同じタイプだ』と

 俺たちは爆笑していた

 

 『立ち会い人は最後は自分達が

 負けると一ミリも思ってねーんだな』

と笑っていた

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