第6話 マネージャーと反省会……?
「終わった……。」
事務所での初配信が終わり、帰ろうとした時だった。
「流、待って~」
凛お姉ちゃんだ。青空心(流)のマネージャーになった。僕に追いつくと、書類に書いてあったことをやっていないと教えてくれた。それは初配信の反省会だ。なので凛お姉ちゃんと一緒に帰り、凛お姉ちゃんの部屋で反省会をすることになった。
☆
「それでは~初配信の反省会を始めます!拍手~」
緊張で固まっている僕を見てお姉ちゃんは大笑いをする。
「流?そんなに身構えないでいいのよ?完璧だったし。」
「なら、やらなくてもいいんじゃ?」
と聞くとダメダメ、と指を振り回した。
「反省会は絶対やらないといけないの。褒める会になりそうだけど。」
最後の言葉、聞こえてるよ~。褒められるのも緊張するんだから。
「じゃあいくね。青空 心さんの初配信は完璧でした!けれどもう少し、リスナーさん達に反応してあげて。それに言葉が少ない!もうちょっと喋らなきゃ。」
それって完璧じゃないんじゃ……?ガーン、と落ち込んでいる僕を見てお姉ちゃんは慌てる。
「で、でもね?チャンネル登録者数が初配信だけで、21万人になっているのよ?こんなの初めてよ!それぐらい凄いんだから。」
えっ、21万人!?慌てて僕のチャンネルを見ると、本当にそうだった。
「これって、バグ……?」
明らかに動揺している様子を見て嬉しそうに言う。
「バグなわけないじゃん!!これは本当だよ!」
……僕って天才?神なの?………いやいや、そんな訳ない。
「あとね。プロフィールに付け加えしといたから!見てみてね。」
画面をスクロールしてプロフィールのページへ行くと、こう付け加えてあった。
名前:青空 心
年齢:17歳
身長:145㎝
体重:ひ・み・つ♪
趣味:読書、料理
好きなもの:甘いもの、本
苦手なもの:辛い物、苦いもの、虫
一番嫌いなもの:水
社長からひと言:こんなに可愛くて、素直で、優しい子世界に一人しかいないよ!こんないい子欲しかった!!
社長からひと言……………。
あっ、これだけは書かないで!と、あんなに言ったのに。本気で怒った僕は、心ちゃんの声でこう言った。
「凛お姉ちゃんなんて大嫌い!もう知らないもん!」
効果大。涙目でお姉ちゃんは土下座して、もうしません!絶対しません!なので許して下さい~と謝ってきた。
「もうしない?絶対に?」
と聞くと、首をぶんぶん縦に振ってしません!しません!と言ってくれた。なら許してあげよう。こんな感じで反省会は続くのだった。
☆
『これで、初配信を終わります!見に来てくれた人、ありがとうございました!青空 心でした!』
「これで見たのも10回目かな?ルラル先輩、心ちゃんのガチ勢リスナーになっちゃいそう。絶対に初コラボ狙って心ちゃんに恥ずかしいこと言わせたい!」
そう言い、怪しげに微笑むへんた……人がいたのだった。
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