天使の死んだ独房
ボララス
天使の死んだ独房1
「コレが今回の仕事だ。」
ボスから渡された書類に書いてあった仕事内容はいつもの必要経費などの相談の書類ではなく基本的に事務仕事が主な僕にとっては珍しい、聖害討伐の仕事だった。
「何故僕に?ナナやサカーセム君がいるじゃあ、ありませんか。」
ボスはお気に入りの煙草を吹かせながら言った。
「今回の仕事はただ単に聖害を退治すればいいって仕事じゃあねぇ。とある場所に暫く潜入し、あるものの経過観察をする。聖害を倒す。このどちらもこなして仕事達成だ。」
僕に頼んだ理由がよく分かった。
ウチの支部の人間は大体がよく言えば変化を好み、悪く言えば飽き性だ。
特にまだまだ精神面が幼いナナやサカーセム君には暫く潜入、滞在なんて出来る訳が無い。
「それと、この仕事にはサカナシに一緒に言ってもらう。」
「えっ!??!」
なんでアイツなんだ。
僕の頭を本と書類まみれにしたあの医者と。
なんで!
僕が!
「まぁまぁそんなに喜ばないでくれたまえよクラインドット君。」
「うわっ!」
出た。
僕はこの医者が苦手だ。
人の神経を逆撫でするような口調で話し、子供っぽく、あっけらかんとしていて仕事に取り組む姿勢がとにかく悪く、そして何より僕に無意味に絡んでくる!!
「クラインドット君〜眉間にシワが寄りすぎだぞぉ?ほれほれ」
「僕の眉間をつつかないでください。僕は好きで眉間にシワを寄せているわけじゃありません。誰のせいだと思ってるんですか。」
「あ、もしかしてワシ?笑」
「当たり前でしょう!!僕はボスに対して不快な気持ちを持ったことなんて1度もないんですから!!あなたと違ってね!」
「クラインドット、あまり興奮するな。サカナシもあまりクラインドットを怒らせるな。」
「……申し訳ありません。少し感情的になりすぎました。」
「ごめんなさ〜い」
……なんでボスはこの医者と僕を組ませたんだ。
そもそも医者のこの人が仕事に行ったって邪魔になるだけなんじゃないか?それにこの医者は恐ろしく子供っぽい。
仕事に着いてきたってすぐに飽きるだけだろう。
「今回の仕事はお前達にしか任せられない。頼んだぞ」
「…仰せのままに。ボス。」
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