第14話 旅は遠く思いは果てしなく 川



渓谷に流れるせせらぎ

広がる大地


川の流れの音を聞きながら

大きめの折り畳み椅子に座り

煙を燻らせる


大きな川は

音も無く静かに流れ


渓谷に流れる水は激しく

夜になれば川の音以外には

何も聞こえなくなる


時折弾ける薪の音は

川を渡る水の音を消す一瞬の時間


ポケットに入れたシングルモルトの首に

唇を当ててストレートで飲む


この大切な時間も

やがては過ぎて行くと


絶え間なく流れる水の音が教える


両側には緑と土の色しか見せなかった日差しの谷間


太陽が大地に戻り

闇と星の支配下に落ちた渓谷で

小さな灯り取りの為のカンテラは

風に吹かれて焔が揺れている

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