第12話 旅は遠く思いは果てしなく 海



海へ行きたい

渓谷に入りたい

地平線を見たい


広い海で

あまりにも小さく細い竿を出して

果てしなく続く海を見ていたい


遠く見える空と水平線の向こうを見ていたい


此の広大な海の片隅で漂う小さな浮きを見つめ

遠く遠くへと出来るだけ遠くへと

水平線へ届けとばかりにオモリを投げてみるのも良い


島磯の岩床から糸を垂らし

防波堤の上から糸を垂らし

何が釣れてくれるのやら

想像しながらのんびりと雲の流れを見ているのも良い


いっそうの事

船に乗って内海か外海か

帰って来れば浜で炭火を起こし

海風に吹かれながら新鮮な魚で乾杯

私を育てていてくれる命に感謝する


音もなく落ちていく水平線の彼方へと

海を染める赤い太陽へ

祈りを捧げるのも良い

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