素材3 ヒロインとの出会いスタート
ぼくはトラックに轢かれた。そして、気づいたらこの世界に転生していた。
そう考えると、あの運転手には悪い事をしたかもしれない……まぁ、異世界に来てしまった以上、もう会う事はないだろうけどな。
「ふぅ……さて、そろそろ帰るか」
俺は、今日も疲れた体を癒すために風呂に入り、ベッドへと潜る。明日もまた仕事があるんだ。しっかり休んでおかないとな。
「おやすみなさい……」
誰もいない部屋に挨拶をし、電気を消す。真っ暗になった部屋の中で、目を閉じればすぐに眠気が襲ってきた。
そのままゆっくりと意識を落としていく……。
──その瞬間だった。
バタンッ!! 突然部屋の扉が開いた音が聞こえたかと思うと、誰かが入ってきた気配を感じる。……誰だ? 泥棒でも入ったのか? いや、それならもっと騒いでいるはずだ。
じゃあ一体誰が……? 薄らと目を開けると、そこには見た事もない女性が立っていた。
年齢は20代後半ぐらいだろうか。肩にかかるくらいの長さの髪は綺麗な黒髪をしており、どこか上品な雰囲気を感じさせる女性だ。……あれ? なんか見覚えのあるような顔してるような……気のせいかな? 女性は何故か驚いた表情を浮かべている。なんだろう、俺の顔に何かついてたりするのかな? 寝ぼけた頭でそんなことを考えていた時だった。
「──えっ!? ちょっ!……まっ!」
慌てた様子の女性の声が耳に届くと同時に、腹部に強い衝撃を感じた。何が起きたのか理解する間もなく、視界が激しく揺れ動く。……そして、俺の意識は完全に闇に落ちていった。……………… 目が覚めると、そこは知らない天井が広がっていた。なんだこれ、病院か? 体を起こしてみると、全身から痛みが伝わってくる。どうやら怪我をしているようだ。
状況がよく分からないまま辺りを見回していると、1人の女性が目に映った。
「あら、起きたようね」
俺の方を見ながら話しかけてきた彼女は、とても整った容姿をしていた。長いまつ毛に大きな瞳。スラッとした鼻筋に、薄い唇。まるで芸能人のような美人である。……ん? 待って、この人どこかで見たことあるぞ?
確か名前は──
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