それは、きっと五月雨のせい

木瓜

それは、きっと五月雨のせい

季節は、夏の入り口とも言える、六月。


梅雨真っ只中のせいか、ここ最近は、雨に濡れる事が多い。


五月雨


この時期に降る雨の、多量に緑を孕んだ香りと、

いつも立ち寄る公園の近くから流れてくる、海の香りが混ざって、私の心は、何処か少し、馬鹿になる。


だから、きっと


今、こうして、いつもの、紫陽花が咲き乱れる海辺の公園で雨を凌ぎながら、


出会ったばかりの、名前も知らない女と二人、線香花火を眺めているのは、


五月雨のせいで


心が少し、馬鹿になっていたからに、違いないんだ。

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