レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる〜二つの世界を繋げるチートスキル『道具箱』でどんどんレベルアップしていたら、美少女だらけの最強ハーレムパーティ結成していた件〜

アカバコウヨウ

第一部 空と英雄の章

第一話 最弱の少年と天才奴隷少女

「だ、だったら……っ! あたしをあんたの奴隷にしなさいよね!」


 東京ヒーロー養成学校。

 多くの生徒と、マスコミ関係者が居るその闘技場に響き渡る少女の声。


 美しい金髪――猫のように柔らかそうで、やや癖のあるショートツイン。

 黒のブレザーにスカートという制服を、誰よりも着こなしているその少女。

 彼女はなおも言ってくる。

 

「なんでもするわ。だから、日向空ひなたくう……あたしをあんたの奴隷にしなさい!」


「え、いや……」


「何が嫌なのよ! あたしは強くなるためなら、なんでもするわ! あんたがどんなことを望んできても、あたしは応えてみせる……それでも足りないならあたしの身体をじゆ――」


「ちょっと待ってくださいって! 僕は別に奴隷になってほしくもなければ、そういう要求をするつもりもない!」


 生徒とマスコミの前で、これ以上大声で奴隷宣言されたらたまらない。

 空はその一心でそんなことを言うが。


「勘違いしないでよね!」


 少女は止まらず言ってくる。


「あたしがあんたの奴隷になりたいの! あんたに体を捧げたいの! だから……あたしにあんたの強さをよこしなさい!」


「…………」


 空はその少女――こちらに手を差し出し、偉そうに奴隷宣言してくる彼女を見て思うのだった。


 どうしてこんなことになったのか。


 つい最近まで、空は学校内序列ワーストとして、全く注目されていなかった。

 それが今は生徒たちのざわめきの中心となり、マスコミからカメラを向けられている。


(お、終わった……これじゃあもう、まともな学校生活を送れない)


 空の将来の夢は、この学校を卒業してプロのヒーローになること。

 そうして、正義の味方として人々を守り、怪人を打倒することだ。

 だが。


(女の子を奴隷にしたヒーローとか……むしろ、僕の方が悪人じゃないか)


「ちょっと、なんか言いなさいよね! あたしを奴隷にして、あたしの体を自由にするだけじゃ足りないの!? あんたはいったいどうすれば、その力をあたしにくれるのよ!」


 などと、またも叫んでいる少女。

 空はそんな彼女の声を聞きながら、そもそもこうなった原因を思い出す。


最弱の異能『道具箱』。

空間にゲートを作り、その中に物をしまえるだけの能力。


 空が『ゲートの向こう側はどうなっているのか』と、気にしたことから今回の事は始まった。


 空が興味本位で、ゲートを通り抜けた先。

 そこに異世界が広がっていたことから始まったのだ。




——————————————————

あとがき


初めましての方、商業で知ってくれた方

どうも、作者のアカバコウヨウです。


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