第14話山岡ス士郎(すしろー)編
「なんだ!この店は!女将を呼べ!」
(ふすまガラ―)
「あ!」
「ん?ス士郎…、貴様…」
「うちの寿司がどうした」
「貴様!『生ウニ百円』と広告にデカデカと謳っておきながら、注文すれば『品切れです』とはどういうことだ!」
「『さっき』まではあったんだよ。嘘は書いてないぜ。あんたの来るのが遅かっただけだろ。店のせいにするんじゃない。だいたい値段で味が決まる訳じゃない。宣伝に乗せられて、本物の味が分からないんだから」
「では教えてくれ。ポン酢の”ポン”とはなんのことだ。こんな店の寿司より、スーパーのパックの寿司の方が、よっぽど美味い。寿司はいい。この『生ビール半額(何杯飲んでも)』を持ってこい」
「あ?何言ってんだこいつ」
「中川よ。この馬鹿に教えてやれ。『生ビール半額(何杯飲んでも』を持って来いと」
「ああ、それ。半額は明日からだ」
「貴様ぁ!『景品表示法』で訴えるぞぉ!このぼったくりが!」
「好きにすればいいさ。生ビールも実は品切れなんだよ。『さっき』まではあったんだよ」
「中川!ラーメン三銃士を連れて来い!割れるのが嫌ならプラスチックの器を使えばよい。もうよい。貴様の店はこの『異世界スマホ』で☆マイナス五万の評価をしてやる」
「あんたが金も力もない一匹狼だった頃、巨大な金の力と権力を振り回している人間に対して、どんな気持ちを抱いたか覚えていますか?」
「フフフ…、ス士郎、高知で恥をかいてみるか」
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