第11話 事情説明③
ひとしきりレオ兄と遊んだ後……
「それで、父上。僕のスキルを使いたいので、どこか領地を任せてもらえないでしょうか。」
「ユーリ。それは許可できない」
「なぜですか?」
「お前はまだ5歳だぞ? お前は賢いから5歳に見えないだけで、見た目だけで見れば5歳だ」
確かに、僕は前世で18まで生きてるので、厳密には5歳じゃないです。なんて言えるわけがない。
「5歳に街を治めてもらう。って言えばどうなるか分からない。それにまだお前は学園にも行っていない。しっかりと学園には通え。せめて中等部までは通え。そうでなければ、領地内政は認められん。」
確かに当たり前のことだ。内政のなの字も知らないような奴に街が治められるわけがない。しかも傍から見れば5歳で。例え王族だとしても有り得ないだろう。ここは我慢するしかない。
「確かにそうですね。分かりました。中等部までは頑張ります。高等部は行くかは分かりませんが。」
「とりあえずはその言葉が聞けて良かった。そうと決まればお前も勉強だな! せいぜい頑張れ!」
「……はっ! 嵌められた!」
「ユーリ。甘かったな! 俺と同じ絶望を味わうことになるだろう」
「何を言っているんだ。レオルグ? お前は国王になるんだからもっと厳しくしていくぞ?」
「え? ちょっと父上!? 嘘ですよね? 今よりきつくなるとか嘘ですよね!? 嘘って言ってください!」
「よし、おしゃべりは終わりだ。俺は執務をしに行く」
「ちょっ! 父上~! それは勘弁してくださいーーーーー」
ハハハッ。ざまぁレオ兄。やっぱり押し付けて正解だった。僕もきつくなるだろうけど。レオ兄よりはましだ。
「やっぱり国王はユーリがなってくれよ~~~~」
「嫌です。頑張ってレオ兄!」
「がんばれ~」
「そんな……」
レオ兄が項垂れてOrz……! の態勢を取ってる。笑いが止まらない!!
一波乱あったもののこうして、僕の事情説明は終わりを迎えた。
――これからユーリは学校に通うことになるまでの5年間、勉強と鍛錬という地獄の日々を送ることになったのだった。
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