第16話 神社

森を抜けたのか、目が覚めると神社に着いていた。

「ごめんなさい」

ワールドワイドの女神様は鬼をガラスにしても平気に見えたが、

私は女神の力を利用すると脱力感がある。


「ヒサギ大丈夫か」

冒険者のアイが心配をしてくれる。

「ちょっとふらふらしただけよ」

体力は戻っている。


森の女神が顔を見せた

「大変な役割ね、鬼は神社には入れないから安心して」

「大樹では侵入されていたぞ」

失格王が指摘をする


二の目の鬼は確かに、ワールドワイドの女神の間まで

侵入をしていた。

「彼女は特別よ、様々な種族が入っても平気だし」

手指を向けるだけで鬼をガラスに出来るなら、無敵なのだろう。

ガヨクが言うように、その特別な力は人間からすれば

恐怖の対象になるのは理解できる。


神の力を持つ人間


私は女神として、公平性を保てるのかしら。

制御できる自信が無い。


「今日は疲れているでしょう、明日のために休みなさい」

森の女神は、男達を連れて行く。

私は一人残されたベッドの上で眠る。


夜半過ぎに目が覚めた

「速く寝過ぎたのかな」

ベッドから起き上がると木組みの建物から外に出る。

夜風が涼しい。大気も澄み切って深呼吸をすると力があふれてくる。


「起きたのか」

孤独王も涼みに来ている。

神社の庭にある大小の岩の上に座っていた。

「孤独王さんも眠れませんか?」

1日くらいしか一緒に行動していないが

親戚のおじさんみたいな親しみがある。


近寄ると「女神になるのか?」と聞いてきた

「女神様に言われたので、なると・・思います」

孤独王は少し悲しそうに

「女神になるなら、長寿と力を得られるが、人として暮らせなくなるぞ」



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